さて、それからどうしようかと考え、もうイカはいいから完全に青物モードなんで、いつも行く東伊豆の釣具屋に情報収集に行きます。
わりと大きい堤防でヒラソーダが来てるみたいです。
で、弓角を何種類かとジェット天秤(10号)をいくつか買い、昼過ぎにその堤防に向かいます。
***
でもでも、その堤防に着くと、工事をやっているらしく、立ち入り禁止になっています。
おいおい釣具屋、その辺の情報も教えてくれよー。
工事は堤防根元の方なので、先端は空いています。
念のため、工事している人に「釣りしたいんですけど入れないんですか?」と聞くと「いいよ、入んな。気をつけてね。」との言葉。
よっしゃー、天下の東伊豆の大堤防がプライベート堤防です。
早速外洋側にフローティングを付けた弓角を投げますが、向かい風が強くてあまり飛びません。
内湾や先端など、色々と試していますが、気配がありません。
少し雨が降っているだけに、少しココロが折れそうになってきました。
そのとき地元の人らしくオッサンが登場しました。
俺らを見るなり「そっち(内湾側)じゃダメだよ、外に投げないと。鳥も出てきてるよ」とアドバイスです。
そして、6000番の投げ釣り用リールに4mちょいの竿、ジェット天秤で外側に向かって大遠投します。
しかも3投目でいきなりソウダをヒットさせます。
バニーだと空気抵抗が大きく向かい風にはツラいので、天秤にチェンジし、始めます。
いやあ、ブっ飛びます。
このオッサン、言葉はぶっきらぼうですが、リーダーの長さや弓角のカラー、スピード、タックル選択、ドラグ調整、アワセ、ランディングなどなど、すごく丁寧に教えてくれます。
(このオヤジレクチャーについては別途書こうと思います。)
そのうち続々と地元のオッサンたちが現れます。
俺らを含めて7人くらいのオッサン(俺たちは若造だけど一般的にはオッサン)がずらーっと並んでキャストを始めます。
皆さん、気軽に声をかけてくれ、かつ経験に裏打ちされた良いアドバイスをくれます。
で、ある程度時間が経つと、最初のオッサン(一番堤防先端)にヒットしましました。
30cmくらいのですが、よく引いています。
俺は先端から4人目、Tは6人目くらいのとこにいます。
次に先端から3人目にヒット、よし、次の次だ、と思ったら、突然ゴンゴンっと来てドラグが出ます。
いい引きです、たまんないっす。
つか、俺の8.3ftのシーバスロッドだと、かなりノされています。
抜き上げは難しそうなんで、Tにタモ入れをしてもらいます。
オッサンたちは「まだまだ」「竿立てろ、頭出せ」などなどアドバイスをくれ、ついにランディング成功です。
これでこの釣行のボーズを逃れました。
釣れたのはヒラソウダで、帰宅後測ると41cmありました。
「おお、このサイズが出たか」「ニイちゃんの竿だと面白いだろ」「ルアーの人は取り込みはうまいなあ」(俺は下手なのに)などなど褒めてくれます。
結局、俺らが帰るまで、これが堤防での最大サイズでした。
いや、うれしいうれしい。
さっそく〆てバケツで血抜きしつつ、釣りを再開です。
俺はこの後標準サイズが1本出て、それ以降はしばらく出ません。
Tはトラブルが続くみたいでずっと仕掛けをいじっているので釣れていないようです。
***
で、時合待ちの間、竿を置いてオッサンたちと車座で色々と話します。
東伊豆のアオリイカの状況、俺らがやっているシーバスの話。
なんか、今まで伊豆ではエサ師とか他の釣り人にイヤな思いをさせられることが多かったから、こういうの、すごくいいです。
(実は)人見知りな俺も色々と尋ねることができます。
で、俺が〆ていた2本のソウダですが、俺はナイフを持っていなかったので、イカシメ用のハサミでエラの付け根を切って、首を折っていただけでした。
するとそれを見て最初のオッサンが〆方を教えてくれました。
まず、エラの付け根を手で引きちぎる。
次にエラを全部取り外す。
さらに内蔵を全部取り出す。
最後に首を折る。
バケツで血抜きする。
氷水に入れておく。
全部、手です。
小さい方をやってみると、すごく楽にできました。
が、手が血だらけで、ヒトゴロシの手になってしまいました。
***
そうこうしているうちに、また誰かにヒットして、釣りに戻ります。
ここからがお祭りでした。
もう、3投に1投くらい出ます。
小さいサイズは抜き上げます。
***
Tはリールが小さすぎるのか、結びが甘いのか、高切れ連発ですべての仕掛けをロストしてしまいました。
するとなんと、このオッサン集団の一人が天秤をわけてくれます。
念のため、と俺にも12号をひとつくれました。
なぜここまでいい人らなんでしょう。
とりあえずクーラーに入っているビール約3リットルを皆さんに進呈します。
こんなもんじゃ申し訳ないのですが。
そうこうしているうちに、Tはまたもや高切れをしてしまいます。
もうココロが折れたみたいで、まだ天秤をくれようとするオッサンに丁重にお断りをし、「俺、見てる」宣言です。
するとなんと、最初に来たオッサンが「俺は沢山釣れたから、ニイちゃん、やらせてやるよ」とのありがたい言葉です。
「やらせてやる」・・・人生でほとんど聞いたことない言葉を聞きました。
で、Tはオッサンにマンツーマンでレクチャーを受けています。
釣り座は堤防内のファーストクラス、先端です。
何度かヒットさせるのですが、ゴッツい竿なんで取り回しに苦労して、バラしています。
で、やっと最後に35cmくらいのいいサイズを上げることができました。
堤防中がものすごく喜んでくれました。
***
結局キープは俺の釣った3本と、Tが釣った1本とし、納竿しました。
何100投もしたうえに、激しい引きが何度もあったんで、右手の握力がゼロです。
いや、ほんとに最後に充実の釣りでした。
俺の釣り人生でほとんど無い「爆釣」と言っても良いと思います。
何よりもオッサンたちに感謝です。
帰るときも、「また来いよ」「10月は40cm越して本ガツオも混ざるぞ」などなど、とても友好的でした。
釣行記、まずはここまでです。
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