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2008/10/28

向こう側に突き抜けろ!

昨日の夜、久しぶりに地元のころからの友人Oと飲んでいました。

こいつは数年前によく一緒にダーツをしたりと会っていたのですが、結婚を機にあまり会わなくなっていました。
ただ、たまたまこいつが仕事でからんでいる相手が俺の取引先でもあり、じゃあ3人で飲もう、ということになったわけです。

で、この取引先が「Open6Eさんってどんなワカモノだったんですか?」とか聞くもんですから、友人Oが「パンクですよ、パンク。いや、パンクというか、ブルースというか、まあ音楽ばっかりやってましたねえ。そういえば、アブナいクスリとかの話を良くしよったねえ・・・ほら、あの話をしてやれ」と振ってくるわけです。。

アブナいクスリの話ってのは、ハタチそこそこの頃の愚行なわけです。
数年前にOとよく遊んでいた頃に、チャンネエなんかがいて、笑いが取りたくて数度話したことがある、まあネタです。

で、昨日はそこそこでお開きになって家に帰って、古いデータを探すとありました。
以前に書いた曲作りの話と同様に、10年くらい前にとあるWebサイトに掲載していた話のリサイクルなんですけど。

---------------- ここからリサイクル ----------------

ロッカーに限らず、ミュージシャンといえばドラッグである。
ヤク、クスリ、その類である。

ブライアン・ジョーンズ、ジム・モリスン、ジミ・ヘンドリックス、ジャニス・ジョップリン、キース・リチャーズ、シド・ヴィシャス、ジョニー・サンダース、マイルス・デイビス、チャーリー・パーカー、ジョン・ベルーシ・・・・

誰もがドラッグで散っていったり、ドラッグの地獄から復活したりした。
その姿は実にカッコ良かった。
ドラッグの良し悪し、ドラッグをやってる人間がエゴのカタマリになってしまうこと、死んだ人間が果たしてカッコいいかどうか、などの問題は別として、とにかくミュージシャンにドラッグ、それがカッコ良いと思ってた。

***

何せ普段見えないものが見えるのである。
サイケデリックな画像である。
聴いたこともない音楽である。
そりゃあすごい、これはやるしかない。

ハタチそこそこの馬鹿達はそう考えた。
とにかく、中学生が女性の大切な部分を見たくて見たくてモダエるように、とにかくトびたかった。
簡単にそれらが手に入る環境にいればあっという間に廃人になってしまうタイプである。

ただ、ヤクザのツテを探したりして本当にシャブを手に入れて抜けれなくなったり、海外に行って手に入れたハッパやコークやエルを入れたコンドーム呑み込んで帰ってきたりはしたくなかった。
大体「シャブ」ってのは響きがあまりクールじゃないし。
コンドームは苦しそうだし。

で、方法は2つ。
絶対安全なルートから(昔から卑怯)手に入れるか、代用品で済ませるか。

***

手っ取り早いのは代用品である。

「でも代用品とか言ってもシンナーとかトルエンってのは何かカッコ悪いけんやめようや。」
「そうやね。ハタチにもなってシンナー中毒になったら親も泣くぜ!!」

もっとも、ハタチにもなって、ロッカーにはドラッグだ!!ああトリップしたい、などと言ってることの方が親が知ったら情けなくてもっと泣きそうである。

***

ジム・キャロルというロッカーであり詩人である作家がいて、この人の本に「マンハッタン少年日記」というのがある。
これは12かそこらのガキがドラッグに溺れるという壮絶な話なんだが、その中で「咳止めシロップを一本飲んで・・・・」という個所が数回出てくる。

「そうか、咳止めシロップや!!
よし、ブロン液を買いに行こう!!
一本飲めばアッチ側や!!」

と勇んで薬局へ。

「ブロン液3本ください。」
「3本も??そんなにヒドいなら、それよりもこっちの飲み薬の方が効きますよ。」
「え、あ、そうですか、じゃあブロン液3本にその錠剤もください」

ヒキの弱い買い出し係である。

当然BGMは必要である。
何せトリップである。
トリップするときは誰もが音楽をかける、とモノの本に書いてある。

やはりここはジミ・ヘンドリックスか??
いやいや、レゲエなんかもベースとドラムがトリップしたときには気持ちいいと聞いたことがある。

色々考えた挙げ句、「そうか、これしかない!!」とターンテーブルに乗っけたのがDoorsの1stアルバム。

「Break On Through To The Other Side ~ 向こう側に突き抜けろ!!」

これ、これだ!!
クるぜ、シビレるぜ!!

さらにお香を焚くのが正しいお作法である。
ただし本来はマリファナの匂いを消すためのもので、ブロン液には全く必要無いのだが。

さあ準備は万端だ。
しかし1本丸々とはかなりの量だ。
しかも当時のブロン液のボトルは我々のような馬鹿がゴクゴク飲めないように、ボトルの口の部分に特殊なサカズキのようなモノが付いており、ボトルを立てて本体をチューと押すと一定量がそのサカズキに入るようになっている。

チュー、ゴクゴク。
チュー、ゴクゴク。
チュー、ゴクゴク。
あー、甘い、甘ったるい。
チュー、ゴクゴク。
チュー、ゴクゴク。
気分悪くなってきた。
チュー、ゴクゴク。
チュー、ゴクゴク。
オエッ、オエッ。
チュー、ゴクゴク。

やっと全部飲めた。
途中で気持ち悪さに水飲んだりしたので30分もかかってしまった。
しかも水ッ腹だ。
ゲフッ。

さあ、クるか、もうすぐか。
うーん、効いてきたかな、向こう側が見えてきたかな。
いや、でも眠くなってきた。
眠い、眠いぞ、ヤバいんじゃないか??
死ぬんじゃないか??
うーん、眠い眠ろう。
・・・・・・
ああ、良く寝た。
お、8時間も経っている。

「ダメダメ、ブロン液、全然トべん。
なんか眠くなるだけで全然コん。」
「そうやね、大体市販のクスリやら効くわけないやん」

そんな当たり前のことを今更気付くのがそもそも馬鹿である。

***

その頃我々は福岡天神の親不孝通りにある古着と輸入雑貨の店によく行っていた。
そこである日、とてもクールなものを見つけた。

「おう、これ見てん、すごかろ??」
「何これ??」
「この白い粉をクサ、鼻から吸うったい。」

これはドイツ製の一種の嗅ぎタバコだった。
眠気と疲れが取れるらしい。
眠気と疲れ・・・いよいよヤバい展開である。

早速試してみることに。
当然BGMとお香は必要である。

なにせ鼻からスーである。
スカーフェイスである。
キース・リチャーズである。
コークなら当然攻撃的な音楽、例えば激しいパンクロックなんかがいいのだろう。
ニューヨークパンクのデッドボーイズをターンテーブルに乗せる。

「こんくらいかいな、こんくらいでいいやろね」
「最初やけんね、いきなり大量にやったらオーバードーズで心臓止まったりするけんね。」

オーバードーズと来たか。
恋に恋する乙女と一緒で余計な知識だけは持っている耳年増である。
しかし数百円の粉でオーバードーズも何もないだろうに。

「スっとするけど全然コん。」
「量が足らんのやろ。」
「何か吸いすぎて鼻ん中が気持ち悪い。」
「どうも精製の仕方が悪いんヤロね。」

繰り返すが、ハタチにもなってる野郎3人である。
完全に馬鹿である。
精製もヘッタクレも数百円の粉である。

結局鼻の穴全部がふさがるくらいを一気に吸っても駄目だということに気付いた。
しかし、いかにもコークをキメてます、というようなカッコいい吸い方だけは体得できた。

***

それでも馬鹿は懲りないのである。
飽くなきアッチ側への追求である。

ある日また親不孝通りの例の店に行き、クールなものを発見した。
これはタバコ用メンソールの結晶である。

米粒くらいの大きさの結晶をタバコのフィルタの吸い口に乗せ、ライターであぶる。
するとこの結晶が熱で溶ける。
このタバコを吸うとどんなタバコもメンソールである。
だからハイライト・メンソール(当時はなかった)、といったスサマジいものも作れる。

さて、また今日も馬鹿の会合である。

「これ知っとうや??」
「知っとうぜ。タバコんところに溶かしてメンソールにするやつやろ??」
「これをクサ、細かく削って鼻から吸えばクるっちゃないかいな??」
「おお、いいねぇ。キそうやねぇ。何せメンソールも常習性があるらしいけんねぇ。」

くどいようだがハタチの成人である。
「私だけはあの人のこと解ってる。」といった盲目の恋愛に近いものがある。

メンソールの常習性、確かにあるらしい。
ただし体には全然害の無いレベルで、摂取しつづけるとメンソールが効かなくなる程度らしい。

気分を出すためにカミソリの刃で結晶を削って机の上に集め2本の筋にする。
何事も見てくれが大事である。
もちろん結果は、鼻が必要以上に通るようになっただけで、鼻の中の液体、要は鼻水がダラダラ出るようになっただけだった。

***

だが、こういう事件もあった。

このころ俺は新しいバンドをやろうとしていた。
ある日後にバンドを組むことになる男と一緒にいつもの溜まり場で、音楽のこと、バンドのコンセプトなどについて話していた。当然ナメられたらいかんので、ハッタリのつもりでこの「メンソールコーク」とカミソリを取り出し削り始めた。

「何それ??」
「これ、別にヤバくはないとやけど(ニヤリ)。
まあ、スーっとするったい。」

オモムロに鼻から吸い込む。
もちろん、カッコ良く吸い込む方法は嗅ぎタバコの時点で体得済だ。

ただしこの頃にはこんなことばっかりやってるので鼻の粘膜が相当イカれていたようだ。
いきなり俺の鼻から鼻血が吹き出してしまった。

それを見て

「カッコイイ、シド・ヴィシャスみたいや・・・・」

と妙に誉められてしまった・・・・

***

代用品じゃあなかなかうまくいかないので、絶対安全なルートを探すことも怠らなかった。

知り合いに大病院で看護婦をやっているチャンネエがいた。
いきなりネダるのもアレなので、飲みに行って遠まわしに聞いてみた。

「ねえ、病院で働きよったらハ○シ○ン持ち出したりとかそういう話って結構多いと??」
「何で??」
「いや別に。どうなんかな、って思って。」
「まあ、以前はウチの病院もズサンやったけど、私とか××子とか△△美とかが一回ゴッソリ持って帰ったら(コラコラ・・・)問題になって、それから厳しくなったんよ。
バレんかったけんよかったけど。
もしかして欲しいと??それやったら売ってくれるって人紹介しちゃあよ。
別にヤバいルートとかじゃなくて、まあ昔はゾクとかやりよった人やけど(十分ヤバいって・・・)、今はただの中古車屋(ただの中古車屋のワケないやん!!)で色々顔が広くて(足洗い切ってないってことやんか!!)、たいがい欲しいもんは手に入ると思うけど(こりゃあモノホンだ・・・)。
あれ??どうしたと??もう帰ると??まだ飲み始めたばかりやん。」

全然「絶対安全なルート」じゃなかった・・・・

***

さて万策尽きたかのように見えるが、まだまだ馬鹿は諦めない。

そのころ宝島を愛読していた。
当時の宝島はポップカルチャーやカウンターカルチャー、ロックやアートなどの話題がメインで、とてもクセは強いがイカした雑誌だった。

で、その宝島に「合法ドラッグ特集」のようなのがあって、そのなかに「ナツメグを丸ごと食べるとクる」という話があった。

「これや、これしかない!!」
「ところでナツメグって何や??」
「なんか香辛料らしいぜ。」

ナツメグなんてあまり見かけるものではない。
が、ある日、馬鹿2号が駆け込んできた。

「あったあった、ナツメグあった。」
「でもこれ粉末やんか。」
「ナツメグはナツメグやけん、大丈夫やろ??」

要はSBなどの普通の粉末香辛料である。

さっそく舐めてみる。
何も起こらない。

「やっぱり粉末は鼻やろ鼻!!」
「そうやね、鼻やね。」

何も疑わずに鼻である。
このころにはすっかりと鼻で粉末を吸い込む動作にも慣れているとしても、類希なる馬鹿共である。

だが、やはり全くキやしない。
これも駄目か・・・

***

そんなある日、ある女友達が丸ごとのナツメグを手に入れてきた。
この女友達とは時々一緒に飲んだりしており、我々のトリップ大作戦を暖かく冷笑しながら見守ってくれている。
すごく親切な女性だ、と思ってたが、よく考えてみるとモルモットにされていたようでもある。
この日は馬鹿2号が欠席で俺ともう一人しかモルモットはいない。

「おおお、丸ごとナツメグや!!」
「早速食おうや。」
「皮むくとかいな、そのままかいな。」
「じゃあ俺が皮むいて食うけん、ジブン、皮のままね。」

俺は皮をむいた方だ。
実は皮のままの方がキそうだとは思ったが、本当にキそうに思えた。
それならまず人のトぶ所を観察したい、と一瞬のうちに思い、すかさず相手に振ったのである。
モルモット同士の知恵比べである。

で、俺は皮ナシを食ってみたが、何も起こらない。
やはり駄目だ。
ところが、皮ごと食った奴が突然モダエだした。

「クる・・・むっちゃクる・・・・」

ようし、オーライ!!
トリップだストーンだロケンローだ!!
と喜び勇んで俺も皮のままムサボリ食った。

「ク、クる・・・・」

クるのはクるのだが、トリップするわけではない。
ものすごく口の中がシビレるのである。
とにかくたまらない。
口の感覚が全く無くなってしまった。

要はまたもや失敗である。
これを境に、流石の我々もその他の代用品を探すことはなくなった。

---------------- ここまでリサイクル ----------------

良い子のみんなは危険だからマネしちゃダメだぞ!!

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コメント

あっぶねぇ!
夜の11時過ぎにゲラゲラ笑うのは某機関に通報が行きそうだから我慢してクックと笑ってたらいい加減我慢の限界に達しそぅで
いつしか自分との闘いに(`ε´)
闘う40才の異名を取るあちきとしては負けられへん・・・
くっ・苦しい・・・
ゴルァ!
殺す気かぁ!!
あ~おかしかったよ(^O^)/
あちきにゃ全然縁がない世界の話でしたが(^-^)

投稿: B-ひで | 2008/10/28 23:33

ひでさん

俺もゲンブツには縁の無い人間でしたから。

それにしても、そんなとこでまで闘わなくっても(笑)

投稿: Open6E | 2008/10/29 22:22

こらこら、ひでちん…って、まぁ、いいや(爆)
ウチらの近くにはバ●ァ●ン代用品にして救急車で運ばれたヤツがいました。(^_^;)
良い子のみんなは危険だからマネしちゃダメだぞ!!

投稿: まこ@釣庵 | 2008/10/29 23:06

まこさん

●フ●リ●っすか。<コラ
元々はア○ピ○ンなんか使う人が多かったみたいっすね。
酒と一緒に。

つか、どんどん話がアブナくなりそうなんで、この辺で。

投稿: Open6E | 2008/10/29 23:14

ボクチン何の事だかわかんないよ(^O^)

投稿: B-ひで | 2008/10/30 00:32

ヤヴァイ(^O^)
何度読んでもおもしれぇo(^▽^)o
傑作や('-^*)/

投稿: B-ひで | 2008/10/31 01:31

ひでさん

微妙にギリギリの内容なんで、引かれてナンボではあるんですが、楽しんでいただけて光栄っす。

しかしイタいワカモノだったっす、俺ら。

投稿: Open6E | 2008/10/31 11:54

へたれパンピーきもいことすんな

投稿: D | 2009/05/28 15:49

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