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2009/12/17

ブルーズバンドのビジネスモデル

しばらく更新が滞っていました。
なんだかんだとコッテリとしたプロジェクトが始まってしまい、仕事の合間(正確にはウタタネの間の仕事の間)のブログのネタ作りができない状態なのです。

気が付けば12月も半ばになり、今年も振り返るやら振り返らないやらを考える時期ですね。

今振り返るわけではないですが、今年は釣りをガッツリやったという気はあまりしませんが、逆にバンドに関しては、5月7月11月の3回とガッツリやったという満足感はあります。

***

さて、ブルーズバンドに限らず、バンドと主催側の契約(というほどではないですが)はだいたい以下のような形態となります。

1) ノルマ
いわゆる、普通のアマチュアバンドの出演形態ですね。
これは、ライブハウスが主催となる場合もありますし、ライブ企画を仕切るプロモーターが主催する場合もあります。

例えば、1500円のチケット12枚、18000円がノルマとして、30分から40分の間くらいの演奏時間で出演するわけです。
もし、ノルマ以上にチケットが売れれば、ノルマを越えた分の半分がバンドにバックされるケースが多いです。
上記の例で、チケットが16枚売れたとしたら、ノルマ以降の4枚のうちの2枚、すなわち3000円が戻されるわけです。

この場合、主催側はリスクゼロ、逆にバンドはすべてのリスクを負います。
まあ、駆け出しや不人気なバンドにとってはしょうがないっすね。

2) チャージバック
これは、ノルマは無く、当日のチケット売り上げのうち半分を主催がもらい半分をバンドがもらうという形態です。
このくらいになると、バンドとしてはなかなかのレベルです。
もちろん、これだけで食えたもんじゃないですが。
バンドにとってのリスクはほぼありませんが、あまり客が入らないと二度とオファーが来ないという点はあります。

3) 買取り
ここまで来ると、ちょっとしたもんです。
これは、主催側が、1回40分の2ステージで5万、とかの条件でオファーをしてくる、というパターンです。
主催にとっては、持ち出しのリスクはありますが、2000円のチケットとして30人来ても1万人来てもバンドに払う金は同じで済むというメリットもあります。
バンドにとってももちろん、出演すれば金になるのでオイシイわけです。

大体、バンドメンは1)から始まって3)を目指すわけです。
音楽だけでメシが食えるかどうかは別として、ここまで来れば「イッチョマエ」となります。

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特殊なケースとしてこんなのもあります。

1) 貸切り(もしくは「企画」)
バンドが主催者となり、ハコを押さえてライブを企画するというものです。
大体、週末が多いですね。
例えば、14:00から20:00の6時間、PAおよびオペレータ込みで例えば8万(適当な数字です)という感じで。
そうなると、リハが14:00-16:00となり、開場16:30開演17:00-20:00とすれば、セッティング10分演奏35分くらいの持ち時間で4バンドが出演して1バンドあたりノルマが2万円、チケットが1枚2000円だとすると、チケットノルマが10枚となるわけです。

2) お座敷
この「お座敷」という言葉が一般的かどうかはわかりませんが。
これは、例えばパーティなどの余興とかでオヨバレして演奏するというものです。
イベントの懇親会などでバンドが入っていたりするのも、この一形態と言っても良いかもしれません。
ギャラや演奏時間はマチマチです。
要は、演奏を聞くことを目的としていない客に向かって演奏するというものです。

3) ハコ(ハコバン)
これは、飲み屋などの専属バンドとしてパートタイムでなく、常時演奏するというビジネススタイルです。
例えば、ハンブルグ時代のビートルズなんかがあえてカッコ良いイメージですね。
実際はキャバレーあたりで酔漢相手に黙々と演奏するような辛い面の多い仕事です。

ちなみに、ハコバンもしくはハコバンのうちの一人が急遽出れなくなったようなときに、急遽入る代わりのバンドや代わりのメンバーのことはトラ(エキストラ)と言います。

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で、たまにライブを見に来てくれたり、7月のライブを企画したりしている人から11月の下旬に連絡ありました。
なんでも、12月の中旬くらいにパーティをやるらしく、その場で何曲か演ってほしいとのオファーです。

すなわち、上記特殊ケースの2番「お座敷」なワケです。
演奏時間は20-30分くらいで、ギャラはナシだけど好きなだけ飲み食いOKとの契約条件です。

俺らも出世したのかナメられたのかわからないですが、もちろんこのオファーを受けました。

***

というわけで先週末、このパーティで演奏してきました。

PAなしどころか、アンプやマイクも無いという環境です。
これは持ち込みのアンプその他を使うことでどうにか生音でやることは避けることができました。

ところがところが、演奏するフロアと飲食のフロアが異なっているという恐ろしい状態、しかも客は別にブルーズなんて聞きたいわけじゃない人々なわけです。

主催者から「そろそろお願いします」と言われたとき、演奏フロアには数人しかいません。
かなり萎えたのですが、ここはきっちりと仕事(?)をすべきと判断して、むしろ、チケット買って聞きにきてもらう客相手以上に気合いの演奏をしました。

最初からガンガンやっていたら、だんだんと人も増えてきて、最後は全体の半分くらいの30人くらいが立ってまで見てくれました。
すっかり調子に乗って、予定より2曲多い40分くらいで演奏を終えました。

予定より長くやったからギャラをはずむように主催に交渉しましたが、もちろん相手にはしてもらえませんでしたが。

***

そんな感じで今年最後のバンド活動が終わりました。

きっちりと音が作れて(ロクに音を作ることはできませんけどね)、照明まできっちりとしてくれるライブハウスもいいんですが、こういうドサ回りっぽさも妙に気持ちよかったです。
店長Qも、自宅練習用の20センチ角くらいの小型アンプでフル出力したハープの音が気持ちよかったみたいで満足そうでした。

来年もこの調子でやれたらいいなと思っています。
パンクのリベンジもしたいんすよねえ。

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