ロバートジョンソンにまつわるアレコレ
先日、図書館に行きました。
小説やらアウトドア/釣り本コーナーやらをラン&ガンしていてたどり着いたのが音楽書籍のコーナーでした。
そこで発見したのがこの本。
ロバート・ジョンソン クロスロード伝説
(トム・グレイヴズ/著 奥田祐士/訳 白夜書房 ISBN:9784861914812)
こんなのもあるんですねえ。
早速借り、先週読み終わりました。
この本はロバートジョンソンの「悪魔と取引」をまさに伝説的に語るというものではなく、わりと冷静な研究本という印象の本です。
冷静には書いてありますが、このロマンティックな部分を完全に否定してサラサラで多い日も安心でドライに斬っているというわけではありません。
それなりの情緒も残してある書きっぷりなので、十分楽しめました。
事実はどうであれ、ロバートジョンソンは十字路で悪魔と取引をしたんですよ。
そう定義する方がとてつもなく空想が広がるじゃないっすか。
あと、最後に小出斉氏の曲解説がついていて、キーやら奏法やら歌を紹介してくれています。
とは言ってもそれも演奏家向けのガイドではなく、小出氏の思い入れとか感想が詰まった表現ですので、演奏をやらない人にでも楽しめると思います。
むしろですね、無性にロバートジョンソンが聞きたくなるのです、そして、聞きたくなったのです。
***
聞きたくなったらどうするか、聞きますねえ、そのまんま。
今、バンドでも何曲かやってるし、ロバートジョンソンをカバーした曲もよく聞くのですが、オリジナルをじっくり集中して聞くのって15年以上前以来かもしれません。
今回はじっくり聞くっすよ、なんならコピーとかしちゃいますよ(カラ手形)。
ここで知っておいて欲しいのですが、ヘッドフォン(できれば耳を覆うヘッドフォン)でちょっとうるさいくらいのボリュームで聞くというのが俺の中でのロバートジョンソンの一番クる聞き方なんです。
こうやって聞くと、地獄の猟犬に追いかけられながら悪魔と並んでリバーサイドを旅して十字路で跪いて心優しい女が激辛だという「よくある」光景が目に浮かんでくるのです、俺ってウソツキ。
初めてロバートジョンソンを聞いたときは、遠くの方でピアノみたいなギターと甲高いヴォーカルが聞こえてなんじゃこりゃ、と思いました。
が、ある日泥酔しているときにヘッドフォンで大音量で聞いたらギターとウタの生々しさに悶絶し、それ以降真剣に聞くときはコレだ、と思うようになりました。
今回も当然これをやらないといけません。
***
さて音源ですが、ロバートジョンソンは「コンプリートレコーディングス」というアウトテイクも含めたCDが出ているのですが、俺は持っていません。
そして「King of the Delta Blues Singers」「King of the Delta Blues Singers vol.2」というアナログLPでしか持っていないのです。
つまり、自宅のオーディオでしか聞けないのです。
自宅のレコードプレイヤーにA面(なつかし!)をセットし、ヘッドフォンを装着してスタートします。
ボリュームをグイっと大きくして、まずはCross Road Bluesなわけですが、何せ俺のヘッドフォンのコード長が1.2mしかありません。
コードをピンと張っても1.2m、普通にしたらオーディオから顔が50センチとか30センチという距離になり、まるでオーディオにかじりついているようなテイストになってしまいます。
これ、ラジオに群がる未開の人々みたいです。
あるいは、壁にコップ当てて盗み聞きしているヤカラみたいじゃないっすか。
それじゃあヘッドフォンじゃなくてスピーカーから聞けばいいやん、と言いたいでしょう。
ダメなんです、それじゃあ。
初めて俺の中でロバートジョンソンが受胎した20年近く前の俺に顔向けができないんです。
ウソです、ホントはこないだ収穫が終わったウチの横の畑が田んぼに戻って田植えが完了すると同時にカエル君たちが夜中になるとゲロゲロと騒ぎ立てるのです。
まだエヤコンを入れるほどでないので窓を開けているこの季節、ガマ共の大合唱でテレビの音も聞こえないくらいなのです。
その中で繊細なロバートジョンソンの音が聞けるわけないっすよ。
***
結論として、この2枚のアルバム、トータル32テイク(29曲+3曲のアウトテイク)をデータ化することにしました。
もちろん「デジ造」師匠の出番です。
実際にデジタルデータにしてPCで聞いてみると、なんかスカスカで迫力がありません。
アナログ用とデジタル用のマスタリングの違いってここまで出るもんなんですかねえ。
こういう音源だからなおさらなんでしょうか。
ちょっと音を密集させて全体のボリューム感を上げてみようと音声編集ソフトとかで色々とイジってみました。
ノイズゲートとかをカマすと逆に音がやせるし、元の音源のプチプチ鳴る色っぽさが損なわれるので、あまり音質はイジらずにマキシマイズだけをやってみました。
これをヘッドフォン大音響で聞いてみると、、、なかなかイイ!
デジタルプレイヤー(まあ、携帯電話なんスけどね)に転送してここ数日聞き倒しています。
***
聞き倒していると、色々とアイディア浮かんでくるんです。
この曲次のライブとかにいいんじゃね?とか、この曲のモチーフをパクれそう、とか(卑怯者)。
で、仕事をサボってマクドで聞きながらゆっくりしていると、「俺と悪魔のブルーズ(Me and the Devil Blues)」の歌詞が正確に知りたくなりました。
突然知りたくなったので、突然解決しないとイヤなので、その場でPCを出してググってみるとヒットしたのがこのサイト。
このブログは音楽ブログでは無いようですが、ここで書いてあることで、目からウロコが沸きました。
この方、クラプトンに興味が無いらしいです。
そう、「嫌い」ではなく「興味が無い」んだそうです。
もっと言うと、「クラプトンのヴォーカルはいいけど、ギターに興味が無い」のだそうです。
俺は常々クラプトンが嫌いだヤツはチンカスだ不幸自慢だ、と言っているのですが、それは俺のボキャブラリがプアだったんですね。
この「クラプトンのギターに興味が無い」というのがピッタリです。
アルバムとしての「レイラ」なんて、結構好きなアルバムっすもん。
***
今のテンションで他の内臓ごと吐き出すようなブルーズヴォーカル聞いたら、しばらくブルーズ強化週間になるんですよ。
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コメント
トラックバック有難うございました^^
○ンカス野郎脱出ですかね?
やはりRJを聴くなら、カエルの声は打ち消さないとね(笑)。
「空気感」が違う空間で聴くとダメですよねえ・・・
投稿: 鬼頭秀彰 | 2010/06/17 09:04
ども。
>ヘッドフォン(できれば耳を覆うヘッドフォン)でちょっとうるさいくらいのボリュームで聞くというのが俺の中でのロバートジョンソンの一番クる聞き方なんです。
これ↑分かるな~(笑)
ギターのちょっとしたノイズなんかも良く聴こえてきて、グっときちゃうんですよね、あはは。
投稿: ken-G | 2010/06/18 00:36
> 鬼頭さん
コメントありがとうございました。
そうなんですよ、カエルはまずいっす。
ブルーズとかジャズだからと言って、薄暗い部屋でタバコの煙をくゆらせながらバーボンとかジンを片手に眉間に皺を寄せて聞く、みたいな様式美はまったく好きになれないのですが、カエルはまずいっす。
今後ともよろしくお願いします。
投稿: Open6E | 2010/06/18 11:39
> Ken-Gさん
コメントありがとうございます。
わかっていただけます?
イヤフォンタイプでも最近はずいぶんと音はいいんですが、密閉型とは音の奥行き違いますよね。
何よりも、耳を囲むことで、非日常というか結界を作るようなイメージになるんですよ、ロマンチストな俺は。
投稿: Open6E | 2010/06/18 11:40