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2010/10/08

総力戦

こないだの初秋合宿以来、釣りをしていません。
実際のところは1週間ちょっとなんですが、実時間の問題ではありません、体感時間が問題なのです。

そんなわけなんで、先週末はちょいと時間をかけて釣りをしようと思っていました。
だとすると、海っすね。

こんなときは秘密メモExcel版をチェックス・ドラッグ・ロックンロールです。
9月後半から10月前半の実績を見てみると、アソコです。

アソコじゃわからないでしょ、ちゃんとそのオクチで言ってごらん、とトロトロの癒し系ドS口調で自分を追い込んだりはしませんが、要はアソコなのです。
でもですねえ、アソコはムラっ気があって気合い入れて行くと見事にスカだったりするんですよねえ。

と、そのとき俺の心のシナリオライターが筋書きを知らせてくれます。
こんなときはファンタジスタS君を誘導して、ヤツに頼まれてシブシブ同行するテイにしたらどうよ、と。
このシナリオライター、なかなかの切れ者です。
俺が秀吉だとすると黒田官兵衛なわけです。

金曜、S君に「今週末、どっか海行こうと思うんだけど情報ない?」とメールをしてみると「今はアソコがいいみたいですよ、テッパンです。」と頼んでもいないのに食いついてきます。
食いつくね、このブルーギル。

「えー、アソコかよ、でも何度も痛い目に遭ったやん」
「今は違うみたいです、今回ダメだったらもう今年のアソコは封印しようと思うんで、どうですか?」
ルアー投げたんだけどライントラブルで何もアクションできずにいると勝手に魚が食ってきた気分です。
「しょうがねえなあ、じゃあ行くか。」
「朝7時前には上がらないといけないので現地集合現地解散ですが、場所は取っておきますので、夜明け前くらいに来てもらえばいいっすから。ビールとかも買っておきます。」

そんなわけで、ペンキ塗りを友達にやらせた上に多数のミツギモノを得たトムソーヤーのように見事に作戦成功です。

***

ファンタジスタが場所取りをしているならば慌てることはありません。
メールでは「帰宅が遅くなったから、4時くらい現地着になる」とウソブキ、とりあえずナマズに行きます。

とは言え、すでに夜中から現地の状況が熱かったら高速の使用も辞さない覚悟です。
軽くナマズ探索を終え、S君に連絡してみました。
「人はボチボチいますが、風が強くて結構波もあります。
シーバスなんていいんじゃないでしょうか?
伊豆でヒラスズキを釣ったときと同じ匂いがします。」

この小物はいまだに過去の栄光に縋っています。
要は周りもヤツも大して釣れてない、ってことですね。

***

当初の予定どおり、4時前に現地に到着し、まずはファンタジスタのミツギモノのビールを鷹揚に受け取り、喉を潤します。
確かに風が強いです。
ただ、波に関しては、表層は風でバシャバシャですが底から巻き上げられたりといったウネリは感じません。

今日の狙いはサバにソウダ、場合によってはアジです。
秘密メモではこの時期の暗い時間にアジの釣果あったので、遠投サビキのウキにケミを刺してトライすることにしました。
コマセは随分前にスクランブル出撃用に買っておいた常温保存が可能なパックモノを使います。
もし調子が良かったら夜明けくらいに近くの釣具屋で買えますので。

時間が限られているS君はジグやルアーを投げています。

ウネるほどでは無いとはいえ、そこそこの流れはありますし、かつ、このコマセはかなりユル目なので、ロケットカゴの窓を沢山開けるとあっという間に空っぽになってしまいます。

さて、やはり腐ってもアソコ、魚っ気はありません。
つか、魚っ気が無いから腐ってるのかもしれませんが。

夜が明けてだいぶ明るくなってきたくらいに近隣のルアー師がジグでタチウオをバラシました。
さらにしばらくして、このルアー師が中サバをキャッチします。
が、単発だったようで、その後は何も起こらない時間が流れます。

俺も触発されて一旦ジグに切り替えてがんばってみますがアタリさえありません。
結局、7時ちょっと前になり、S君はタイムアップで帰宅することになりました。
俺はコマセが残っているし、元々9時過ぎまでやるつもりだったので、もうちょっと粘ることにしました。

「付き合わせてしまってすみません。
ここへの未練が無くなりました。」

と言い、残ったビールを置いてS君は去りました。

***

S君の帰宅前後に、隣のルアー師がまたもやサバをキャッチです。
が、大規模な回遊というわけではなさそうです。

ジグの投げ過ぎで手が痛くなってきたこともあり、再度サビキにチェンジです。
少し風波も収まってきたので、全く同じ場所に小まめに打ち込んでコマセを定着させる作戦にしました。
大体時間を計ると、ロケットカゴの窓を半分開けているくらいで3分ほどで空になります。

よってストップウォッチで3分ずつ測って黙々と打ち込みます。
そうすると、たまに7-8センチのイワシがヒットするようになりました。
ただ、ウキドメが緩いみたいで、キャストごとにズレてしまうのがかなりのストレスです。

そんなコマセの使い方なのでが7時半過ぎにコマセが終了しました。
ソッコーで買いに行き、迷った挙げ句に400円の量は多いけど冷凍のヤツではなく、300円の量は少ないけど冷凍していないヤツにしました。
量はかなり違いますが、これくらいで大丈夫でしょう。

現場にもどり、ウキドメをつけ直して根気よく打ち込みます。
今度はロケットカゴの窓を全開で3分です。

***

が、状況は変わりません。
周囲も含めて何も起こらず、俺の地道な努力も報われなかったという結論に達しようとしていました。

ところが9時前10分くらい、突然ウキが消し込みました。
落ち着いてアワセて無事キャッチしたのは30センチちょっとのマサバです。
キタキタキタ!

速攻で血抜きをしつつ、すぐ次のキャストをします。
するとまたヒットです。

が、これは抜き上げ時にポロリです。
芸能人水泳大会のポロリ枠のAV嬢(例:サライツキ)だったみたいです。

ついに確変に入ったようです。
周囲では俺しか釣れていません。
見て、みんなアタシを見て、もっと、もっとよ!

***

結局この確変で5連続ヒット、2本は抜き上げポロリでしたが、35センチ前後のマサバをトータルで3本キャッチしました。
このあたりから周囲でもポツポツとヒットし始めます。

コラコラ、誰に断って俺様のシマでバイ打ってやがんだドサンピンども!
俺様の地道なコマセワークが魚を呼んだんチャウんかい!
と言いたいところですが、単なる回遊に最初に当たったのが俺であってコマセワークは関係ないのかもしれません。

まだまだヒットは続きそうです。
ところが、俺は帰宅時刻に合わせてやっていたので、コマセがほとんどありません。
無理矢理に残り汁とかを混ぜて頑張りますがさすがにそれではヒットしません。

100円の差だったんで多量冷凍にしとけばと悔やまれます。
もう一度コマセを買いに行こうかと思ったのですが、この日は金を下ろさずに財布には小銭だけしか入っていない状態で釣りに来て、飲み物とかを買っていたらコマセ代さえも無くなってしまい、さっきのコマセは恥を忍んでカードで買ったんで、再度カードでコマセを買うなんてできません。

隣にサクっと入ってサクっと2,3本釣っている若手サビキ師(何か若手なのかはわかりませんが)に100円分コマセを売ってくれ、と頼もうかとマジで思いましたが、このショバのイノベーターでありファウンダーである俺から下手に出ることはできません。
「どこの親分さんか存じませんが、これはご挨拶代わりのコマセです」と持ってきてしかるべきです。

***

俺から始まった(と言い切ります)確変は周りにも波及して他のサビキにはガンガン、ジグにはポツポツとヒットしてなかなか終わりません。

これでやめるわけにはいかないので、意を決してジグをやりました。
釣れているジグ師をチラ見すると、キャストして着底後にスローでロッド下向きのトゥウィッチをやっています。
イノベーターのくせにチラ見です、ありがとうございます。
ファウンダーのクセにプライドもなく真似するとしばらくしてヒットしました。

オラオラオラー、本気を出せばルアーでもこの通りばい!
と周りの視線を気にしてキョロキョロしつつ一気に抜き上げです。
が、リトリーブがスローなのでフッキングが甘いのか、抜き上げ前にポロリでした。
今日何度目かのポロリ!今年の芸能人水泳大会はセクシー度が高いから子供はもう寝ろ!

このアクションならフックはアシストフックかトリプルフックをリヤにするのがいいんですかねえ。

***

そしてさらに数投後!
フルキャストをした瞬間に手元に衝撃が走り、一瞬何が起こったのか解らなくなりました。

空中?空中でバイトしたからこの衝撃?

なんと、キャスト時にPEがガイドに絡んでいて、それに気付かず振り切ってしまっていました。
ロッドが折れ、かつPEが切れてしまったのです。

手元に残ったのはPEの切れ端とロッド下半分+上半分のジョイント部分のみ。
まるでヤエンのように、折れたロッドの上半分が海中に突き刺さる映像がスローモーションとなって見えました。
ショック!ショッキング!

周囲が俺のロッド破壊音でコッチを見ています。
見るんじぇねえ、コラ!

***

コマセも無く、ジグロッドも破損という満身創痍です。
戦場で刀は折れ、矢は尽きました。

ロッドと同様キモチもかなり折れかけていますが、それでもまだ周囲では釣れています。
ここで終わるわけにはいきません。
手駒が無くなるまでやりつくします。

オモムロに遠投サビキ仕掛けを外し、弓角をセットしました。

まさに総力戦です。
たまたま弓角タックル(ナイロンライン)で遠投ウキサビキをやっていたのが功を奏しました。
まだ奏してないけど。

ジグのアクションがスローでタナがやや中層だったため、弓角得意の表層早引きではなく底を取ってスローに引いてきます。

それでもジェット天秤の浮き上がりがあります。
遠投して底取りの後、中間くらいまで引いた後に再度底を取って巻いてくると、足元近くでサバが付いてくるのが見えました。
ここのサバのヤツらは弓角などを見たことも無いのでしょう。
かなり興奮してチェイスしているようです。

サバ以上に興奮している俺は完全に白目を剥いて連投します。
が、スローゆえにスレてしまったのか、ついにチェイスもなくなりました。

周りはまだ確変状態ですが、時刻も10時半になりましたので終了することにしました。

「勝負に負けて釣りに勝った」とココロの中のTwitterでツブヤキました。
もちろん負け惜しみです。

俺の脳内では完全に戦に破れた悲劇のサムライです。
年末年始時代劇スペシャル「白虎隊」のラストシーンになりきっています。
もちろん脳内BGMは堀内孝雄「愛しき日々」です。

~もう少し 時が ゆるやかであったなら~

***

というわけで、派手だったわりにはキャッチは3本のみでした、ありがとうございます。

帰宅後胡麻鯖、シメ鯖、刺身で食ったのですが、初夏のサバ船のブヨブヨサバとは違って身が締まっていて大変おいしゅうございました。

あと残るはヒラソウダです。
今年はまだ釣ってません、食ってません。

懲りずに出撃しようと思います。

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コメント

タモ使いなさいよ

投稿: B‐ひで | 2010/10/08 09:48

ひでちんの超クールなコメントとサライツキにウケました

投稿: まこ@釣庵 | 2010/10/08 14:26

ひでさん、まこさん

コメントありがとうございました。

タモ、持っては行ってたんですが、周りが抜きあげている中、イノベーターでありファウンダー(まだ言ってるし)な俺がタモ使うわけにもいきませんです。
ホントはめんどくさかっただけなんですけど。

ひでさんはきっとツンデレキャラを目指しているのでしょう。

サライツキがひっかかるあたり、同世代ですねえ。

投稿: Open6E(携帯) | 2010/10/08 15:16

最近ドSである事を自覚しましたから

投稿: B‐ひで | 2010/10/08 22:10

ひでさん

どう見ても、元々ドSじゃないっすか。
ええ、そうですとも、人を見てくれで判断する寂しい男ですアッシは。

投稿: Open6E | 2010/10/12 23:21

(^凹^)ガハハ

投稿: B‐ひで | 2010/10/13 10:16

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