カテゴリー「音楽」の68件の投稿

2013/06/03

2連続

書くことが色々と溜まっているんですが、書く時間を確保していません。
1週間以上前の話です。

前日のスタジオでまさかの録音内容が飛んでしまったのです。
つまり、MTRに挿さっているSDカードはカラッポのままです。
そして苦労が消し飛んだ俺のココロもSDカードのようにカラッポなのです。

***

そんな5/24金曜、昼ごろ店長Qからメールが来ました。

新しい店ですが、契約が完了し、6月末くらいにはオープンできそう、とのことです。
その報告というわけじゃないけど、何人か旧常連を誘って飲みましょう、という話です。
何人かに声をかけたところ、結局参戦してきたのが店長と俺、それにフライマンのN氏という古参の3人ということになりました。

店長とは2日連続で顔を合わせています。
どんだけ仲良しなんだよ。

集合し、立ち飲みで軽く飲んだ後にアイリッシュパブで2時間ほどコッテリと話が弾みました。
お互いの状況が変わる前は、深夜にこの3人で濃い話をしていたもんです。

***

20時過ぎに別件の予定があったN氏が離脱です。

2人でサシで飲むのって、カウンターを挟んでいたらなんてこと無いんですが、そうじゃなかったら妙に照れくさいもんです。
そんなときはキャバクラとか音楽聴けるとことかがいいだろう、ということでブルーズバーに行くことにしました。

何軒か俺が知っているところを調べてみたら、金曜夜なのでどこもライブをやっています。
音楽は聴きたいけど、がっちりとライブしているところでアタリかハズレかわからないのを聴くのもなあ、という気分です。
中央線沿線まで行けば色々あるんでしょうが、それも移動が面倒だし、とりあえず山手線沿線で、ライブはやらないだろうという小さい店に移動です。

***

この店、20年近くは行ってるんですが、年に1回とか2回しか行かないんで、店の人と顔見知りというわけではないです。
カウンターに座り、少しバンドの話をしつつ音楽を聞き、腰を落ち着けて飲んでいました。

すると、こんな狭いとこで、という中でライブが始まりました。
もちろんドラムはいませんが、3人編成のブルーズでした。
なんか、雰囲気のある(いろんな意味で)面白い人たちでした。

店を出るときに少し話しをして、機会があったら対バンしましょう、ということになりました。

なんか、ジュークジョイントってわけじゃないですが、こういう小さいハコでやるのも楽しそうです。

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2013/02/16

Bluetooth急増中

ちょうどスマホを買ったころ、Bluetoothレシーバーを導入したことは何度かエントリしています。
で、この年末年始以降、やたらとBluetooth機器が増えているのです。

現時点、俺が音楽を聴く環境ってのは、ほとんどがパソコンかスマートフォンに入れている曲でコト足ります。
そうなると、たまにアナログLPを聴きたくなる以外はPCかスマホになるのです。
CDを再生さえもほとんどしません、PCかスマホに入っているから。

そうなると、ヘッドフォン以外では、コンポの外部入力端子にスマホやPCのヘッドフォン端子かラインアウトにつなげて聴くことになるのですが、この接続が案外うっとうしい。
いや、単に差し込むだけなんですけどね、でも手元操作とかに慣れてしまうと面倒なワケです。

そんな状態だったので、ちょっとコンパクトでPCスピーカー程度の音量/音質がある左右一体型のBluetoothスピーカーを探してみました。

もちろんシブチンの俺のことですので、大していいものではないのですが、納得のスペックのものを購入しました。
amazonで注文して、冬合宿中の伊豆の滞在先に送らせました。

で、PCとかスマホをペアリングして使っているのですが、これがなかなか快適。
音楽聴きたい部屋にスピーカーごと持って行って映画見たり音楽聴いたりなんならYouTube見たりと。

音質ですが、コンパクトなつくりの上にBluetooth接続なので、大して良い音ではないです。
が、まあ、こんなもんじゃね?と納得できる範疇です。
つか、俺、ハードル低いし。

***

そんな感じで快適な伊豆での音楽環境だったのです。

で、伊豆での滞在中に家電量販店に行きました。
もう上記Bluetoothスピーカは到着しているのですが、もし同じものが安くあったら悔しいので(小者)、Bluetoothコーナーでチェックをしました。

もちろん同じ製品は無かったんですが、あるBluetoothイヤフォンを発見したのです。
この時点で俺が持っているのはBluetoothレシーバーで、好みのヘッドフォン/イヤフォンを付けることができる、というものです。
が、この商品は最初っからレシーバ部分とイヤフォンがつながっていて、取替えができないというものでした。

普段の俺ならこんなのは最初から相手にしないのですが、値段を見てビックリ。
通常の売価が4000円くらいするはずのものが、なぜか690円なのです。

え?これって間違いじゃないよね?と何度も型番と価格を確認しました。
が、やっぱり690円。

それじゃあ、ってんで、黒と白を2つ購入です。
白は誰かにあげてもいいかな、と思って。

そしてレジに行くと、「約8000円です」との請求が。
おいおい、ボッタクリかよ間違いかよウソウソボク買わない、とパニック障害を起こしそうになって店員に確かめると、店員が売り場に確認に行ってくれました。

で、戻ってきたらやっぱり690円とのこと。
「それにしても安すぎませんか?」と尋ねると、「そうですよねえ、安いですよねえ」との返事。
店員自体、びっくりしていたようです。

そんなわけで、さらにBluetooth機器を追加です。
白Bluetoothは速攻で没収されましたが。

***

で、現時点で、Bluetooth対応機器というのは、送信側がPC、スマホ、受信側がレシーバー、スピーカー、イヤフォンという構成になったわけです。

で、使い分けとしては、通常通勤時などはスマホ+イヤフォン、自宅で聴くときはスマホorPC+スピーカーとしています。
イヤフォンは音質がイマイチなんですけどね。

で、以前から使っていたレシーバーは、ジムやランのときに、スマホ+防水防滴仕様のイヤフォンと組み合わせて使っています。
真夏に大汗かきながら使っていて、別のイヤフォンをダメにしたもんで。

***

で、現時点では、Bluetoothの便利さにはものすごく恩恵を被っているのですが、その反動で、イイ音で音楽聴きたいと思うことが増えてきました。

なんか、ちゃんとしたヘッドフォンが欲しいな、と。
今、一応、オーディオテクニカのを使っているんですが、もうちょっとイイのが欲しくなっています。

人間ってのは贅沢なもんです。

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2012/07/05

Private Bootleg

昔から、好きなアーティストの好きな曲をまとめたり、オムニバス作ったりといった、いわゆる「マイベスト」を作るのが好きでした。

マイベストって言い方はダサいので、プライベートブートレグと言っていました。
いや、ほんとは言ってなかったっすけど。

***

何せ当時はカセットテープです。
大体、このプライベートブートレグは90分テープに作ることが多かったので、片面が45分です。

選曲をして、うまく45分に収まるように時間を調整します。
CDなんかは、1曲の時間がすぐ表示されるからいいのですが、アナログレコードの場合はジャケットに時間が書いてない限りは一回再生して時間を計らないとなりません。

そして、1曲1曲ダビングしていくことになります。
CDと連動するデッキだったりすると、1曲だけをサクっとダビングしてくれるんですが、レコードの場合は前の曲の終わりくらいから必死の形相で一時停止ボタンに指をかけて待っている、とかをしないとならないわけです。

で、やっと片面の最後の曲の終わりくらいになったら、時間配分をミスっていて足りなくなったりして。
ムキー!

***

MDになったときは自分の中では画期的でした。
曲が収まらなかったら、途中の曲を消したり、とか順番を簡単に入れ替えたり。
ダビング時の一時停止への集中は変わらないですけどね。

さらに、CD-Rに焼くようになってからは、完全にやり方が変わりました。
まずはデジタル化された素材を用意して、そいつらを編集ソフトでノーマライズしたりマキシマイズしたり、フェードアウトで再生時間を調節したり。
あとはコンガリ焼くだけです。

さらにさらに、デジタルプレイヤーで聞くようになってからは、74分とか80分とかの、CDの再生時間の制約がなくなりました。
好きな曲を好きなだけ好きな順番で聴くことができるのです。

***

こんな感じで作り方は変わってきました。

でも、本質的なところは変わりません。
一番大事な、曲を選び、曲順を決めるとこです。

そして、俺の場合は、上記のようにテープとかレコードで聞くという感覚がどうしても抜けません。
そうした場合、曲順では、A面1曲目、A面ラスト、B面1曲目、B面ラストは当然重要な曲を持ってくることになります。

あと2曲目を重要視したくなるんです。
なんか、A面もB面も1曲目でインパクトが強いのが来るんで、その後を受ける曲。
野球で言う職人タイプの二番打者って感じにすることも多いですが、1曲目の世界観を引き継いでもいいし。

ラス前も大事ですね。
最後の曲につなげる序章的な配置だったりもしますし、あえてここに強い曲持ってきて、一旦終わった感を出しておいて、ラス曲をエピローグのような位置づけにしたり。

などなど、この時間が楽しいです。
カセットで作ってた頃は、この曲順決めを全部脳内でやってたってのが、今考えてみるとすごいっす。

***

なんでこんな話をしたかというと、最近、クラッシュをまとめ聴きしたくなって、プライベートブートレグを作ったんですよ。

曲目はこんな感じ。

Disc 1 - Side A
1. Clash City Rockers
2. I Fought The Law
3. The Guns Of Brixton
4. Tommy Gun
5. London's Burning
6. Complete Control
7. Jimmy Jazz
8. Stay Free

Disc 1 - Side B
9. Janie Jones
10. (White Man) In Hammersmith Palais
11. Revolution Rock
12. All The Young Punks
13. Career Opportunities
14. Clampdown
15. What's My Name
16. London Calling
17. Garageland

Disc 2 - Side A
18. Safe European Home
19. Should I Stay Or Should I Go
20. Wrong 'Em Boyo
21. Police And Thieves
22. Spanish Bombs
23. Drug Stabbing Time
24. Death Or Glory
25. Rudie Can't Fail
26. Protex Blue

Disc 2 - Side B
27. Lost In The Supermarket
28. White Riot
29. Lover's Rock
30. 48 Hours
31. Brand New Cadillac
32. I'm So Bored With The U.S.A.
33. Train In Vain
34. 1977
35. Straight To Hell

どうでしょう?
これ、俺の中では2枚組LPとして作ってます。

Disc 1のA-1は挨拶みたいなもんなんで、これしか無いかな、と。
A-2はフェードインがそれを受ける感じをイメージしました。

上記のように2枚組みのLPとしているので、Disc 1のAラスは8曲目のStay Freeなんです。
Rude Boyという映画の中でミックジョーンズが歌うシーンが好きで。
Disc 1のB-1は1stアルバムのイメージからこの9. Janie Jonesにしました。

さて、大事なDisc 1のラス曲ですが、All the Young Punksも考えました。
が、この曲はあえて途中に持ってきて、俺の中でクラッシュの格を上げた17曲目を持ってきました。
あと、ラス前のLondon Callingの持ってきかた、どうっすか?

これでDisc 1はA面8曲B面9曲の17曲となりました。

さて、Disc 2です。
A-1はこれまた2ndアルバムのイメージから18曲目のSafe European Homeに。
それにしてもDisc 1のB-1とかこれとか、やっぱりオリジナルアルバムの印象って強烈ですね。
Disc 2のA-2の19. Should I Stay or Should I Goも、巨人→中日の川相のような位置づけなんです。
しかし最近、川相多いな。

Disc 2のA-ラスはジョニージョニーで終わる26曲目です。
なんか、区切り感があるんですよ、この曲。

さあ、佳境に入って参りました。
Disc 2のB面ですが、あえて1曲目はスカシの意味でこの27曲目です。
実体としては28曲目のWhite Riotが本来のB-1なんですけど。

ラストですが、35. Straight to Hellはまさにエピローグなんです。
というわけで、本来の最後の一発はラス前の34曲目、1977としときました。

***

どうっすか?
「この曲が無い」「ここの曲順はこっちだろ」「ダセえ選曲」などなど、ご批判や罵倒は甘んじて頂戴します。

うむ、楽しい。
次はElmore Jamasのプライベートブートレグかな。

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2012/03/30

酔いどれ達の夜

昨年の11月末にギグをやって以来、全くギターに触っていませんでした。

今年は(今年も)夏くらいから始動かねえ、とか店長Qと話していた矢先、4月の出演が決まってしまいました。
今回はロカビリーバンドとかハノイロックスみたいなバンドが対バンとなるイベントです。

まず、速攻で1曲新曲を作って、かつ、ロカビリーバンドから出された課題曲(もちろんブルーズではない)を無理やりにアレンジもしました。
さらに、Little Walter風なインストを店長に作らせて、セットリストは完成しました。

そうなると、練習というか復習というか、ちょっとやっとかないといけません。
そんなわけで、一昨日水曜の朝6時からスタジオです。

まあ、久々に弾いた割には、バイオリンのように首と肩にボディを挟んだりせずに、ちゃんとギターを構えることができたのでヨシとしましょう。
その程度のヨシです。

とりあえず、新曲を中心にまずは構成程度をツメました。
後からどんなアレンジだったっけ?とならないために、普段はCD-Rなんかに録音するんですが、めんどくさいんで今回は初めてスマホで録音しました。

PCM録音っていうボイスレコーダーのようなアプリがあるんですが、まさにボイスレコーダーとしてはすごくイイ音で録れてすばらしいアプリです。
店長の店で生ギター生ハープでジャムってるのを録っても、これまた悪くない音です。
まあ、モノラルなんですけどね。

最近の電話は侮れないっすよ、Ken-Gさん

***

さて、朝8時にスタジオを終了したのですが、この日は一日社外なので、会社に行きません。
すなわち、スーツじゃなくていいんで、この日の格好はジーンズにスティールキャップのブーツです。

何でこんな格好かと言うと、この日の夜、The Poguesのライブに行くことになっていたんです。

同僚にアイリッシュがいて、こいつと飲んでるときにPoguesの話になり、Voのシェインも含めて来日するねえ、とか言ってたら、なんとすでにチケットを取っている、と。
で、そのチケットに欠員が出たらしく、急遽誘われたのでした。

そりゃあ行きますよ、Poguesっすもん。
シェインそのものが伝説なのに、さらにジョーストラマーというフレーバーまであって。
何よりも、あのケルティックパンクとしか言いようの無い、ハッピーでガサツでセツナい音、俺の好みにドンピシャ(死語)なんです。

で、当然、25年以上のキャリヤのパンクオジサンとしては、ワカモノの渦で自分の体を守らないとならないわけです。
特に巻き爪とかね。
だからスティールキャップ。

***

そんなわけで、最寄駅に集合したのが、開演20分前。
どうせPoguesだから開始遅れるよ、と言いつつ揃ったのは、俺以外全員アイリッシュのムサい野郎達でした。

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会場に入り、早速ビールを飲もうとしたら、ドリンクカウンターは長蛇の列です。

そんなこともあろうかと、ソウケンビチャのペットボトルの中に、ウィスキーを入れてきたのだよ。
オジサンの知恵をナメんじゃないぞ。

ライブ自体は、ここに詳しく書いてあります。
ほんとにほんとに良いライブでした。

開演前、ずっとアイリッシュソングがかかっていたのですが、客電が落ちたらいきなりクラッシュの「Straight to Hell」が流れます。
まずこれで泣けそうになった。

で、このBGMに合わせてメンバーが登場し、ライブ開始です。

シェインはヨレヨレの酔い酔いで、でもゴキゲンでした。
いやあ、あんなに公衆の面前でのだらしない酔っ払いは久しぶりに見ました。

時々、変な音を口から出しながら「シェッシェッシェ」と笑いながら何か言うんです。
でも、何て言ってるのかわかりません。
もしかしたら英語じゃなくて、ゲール語とかそんなんかな、と思ったら、横にいた同僚のアイリッシュが「俺でも何言ってるのか50%しかわからねえ」と言ってました。

ライブの途中からアイリッシュたちを尻目にどんどん前に行ったのですが、暴れすぎて途中で汗だくです。
この辺に歳を感じるんすよねえ。

で、最後の最後、一番好きなFiestaではモッシュにもまれて2周くらいしましたバイ。

***

俺、割とライブに行くと途中で少し飽きて、早く終わらないかなあ、とか思ったりするんですが、今回はまだまだまだまだ・・・・というキモチで楽しめました。

いやあ、やっぱりライブはいいっすね。
自分がやるときのモチベーションになりました。

そうそう、帰りにえらく歩きにくいな、と思ったら、ブーツの踵が外れかけていました。
騙し騙し履いてきたんですが、20年モノのブーツもついに引退です。

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2010/07/09

ロバートジョンソンに関するアレコレ その2

最近、操作系がほとんど壊れた携帯オーディオプレイヤーを入手しました。
Sonyの1GBメモリのローター(わからない子は先生に聞いてみよう!)みたいなヤツです。
何せボタンがほとんど効かないので、再生と停止は本体を振ってうまく接触させるというものすごい使い方をしています。
ボリューム調整なんてちょっとした匠の技が必要です。

で、相変わらずロバートジョンソンを聞いているんですが、ツラツラと思い出したことがあるので書いてみます。
以前書いたものと重複しますが。

***

この人については色んな人が色んなところで語っているので、あえて凄さをここで言うのもナンなんですが・・・・

十字路で魂と引き換えにブルーズを手に入れ、町から町、女から女と渡り歩き、その女癖の悪さゆえに毒殺される。
まさに、ブルーズメンのイメージそのものの人です。
それだけに色々と人々のコダワリを誘うようです。

俺はこのロバートジョンソンに対する世間のコダワリがどうも好きになれません。
もちろん、伝説をかっこいいと思いますし、あこがれはします。
絶対魂を売ったに違いないと思ってますし。

でも俺がロバートジョンソンを好きなのはラモーンズやドクターフィールグッドを好きなのと同じレベルと解ってます。
曲がよくて、演奏が良くて歌が良いから好きだ、とシンプルに考えたいです。

***

ハタチくらいでこの人を初めて聞きました。
そのころはまだコンプリートが出てなくて、アナログの「King of the delta blues singers」のVol1とVol2を聞きました。
世間一般にはロバートジョンソンを聞くお作法のようなものがあって、

  • 初めっからスゴイと思わなかった
  • どちらかというと期待外れだった
  • しばらく経ってから、レコードを整理するときに何気なく聞いてみたら凄かった(このレコード整理というのがポイント。大事な作法です。)
  • それ以来ロバートジョンソンには取り憑かれっぱなしだ
  • やっぱりブルーズはカントリーブルーズやデルタが一番だ

という流れにならないと非国民らしいです。

俺の場合はやや作法どおりでした。
まず初めて聞いた時に、録音のせいか、ギターに聞こえず、ピアノに聞こえました。
そして音が悪いのに閉口しました。

が、ここで書いたように、泥酔してヘッドフォンを付けてボリュームを上げて聞くと、とても繊細でワイルドでカッコ良かったです。
ストーンズやクラプトンなどがカバーしていて、知っている曲が多かったのもすぐ気に入った理由の1つだと思います。

ただ、それからはお作法通りにカントリーブルーズやデルタブルーズにどっぷり行くことにはならず、ビートの効いたシカゴブルーズに惹かれ続けました。

***

大体俺はコンプリート物が嫌いです。
一時期のロバートジョンソン~カントリー/デルタ/クラシックブルーズ偏重の流れはこのコンプリート物がガンガン出されたのが一つの原因ではないかと思うんです。

このロバートジョンソンのコンプリート、実はロクに聞いたことありません。

大体そういうと、ブルーズにうるさいアタマデッカチのチンコチョッピリは

「ロバートジョンソンを聞かずにシカゴブルーズエルモアジェイムズローリングストーンズをウンヌン・・・・」

と鬼の首を取ったかのように批判を始めます。

とってもイヤなヤツだった俺はよく、

「だって、King of the Delta Blues Singers Vol.1 と Vol.2をアナログで持ってるから」

と事も無げに言っていました。
石アタマ野郎もウザいけど、俺もウザい。

だいたいそう言うと石アタマは

「でもアウトテイクが・・・・・ブツブツ・・・・」

と口篭もるので痛快でした。
やっぱりイヤなヤツ、俺。

と言いつつ、実は何度か聞いたことあります。

学生のころ、実家に帰るたびに近所の後輩の家に酒をタカリにいっていました。
今考えても情けないっす。
あまりにもタカリに行くので、しまいにはロコツに嫌な顔をされていました。

酒が進むと、

「こらキサン、ブルーズば聞かせんや!!
エルモアで俺様の魂を焦がしちゃれ!!
このSuch a Kool House Music Vol.6っちゃ何か??」

「いや、Open6Eさん、ハウスってのはですね、現代のブルーズて言われとるヒップホップをテクノロジィで・・・・」

「ヤカマシか!!こんなのば聞く暇があったらマディを1000回聞け!!
早くエルモアをかけんか!!
うううう、酔ってきたぁ。
俺はエルモアの息子だぁぁぁぁ」

と無理難題を吹っかけていたのですが、

「ロバートジョンソンでヨカですか??」

と懐柔されてしまい、

「よしよし、哀れなボブでよろしい。
ただしまず最初にランブリン・オン・マイ・マインド、その次がレッドホットでさらにテラプレイン、ググっとカインドハーティッドそしてカモンインマイキッチンあたりの順番で行こうか。」

「え、っと3曲目何でしたっけ??
あとカインドハーティッドはどっちのバージョンですか??」

「何かそれは??
カインドハーティッドはロバートジョンソンのバージョンたい!!」

後輩、面倒臭くなって一曲目からそのままかけます。
まったく気付かず俺しばし御満悦です。

「こら、キサン、何で同じ曲が2曲続くとか!!」

「だけん、アウトテイクです。」

「そんなんは知らん!!
ラーメン食いに行くぞ!!
車出しやい!
おごっちゃあけん、金貸せ。
うううう、酔った、キモチ悪い。
俺はエルモアの息子だ ぁぁぁぁ」

・・・・・
だからコンプリート物はキライです。

ちなみにコンプリート物、コンプリート盤とは、そのアーティストの全録音をすべて含んだCDで、同じ曲でも微妙に違ったりするテイクがすべて入っているものです。
ロバートジョンソンも録音されている曲は29曲ですけど、アウトテイク(実際にリリースされたレコードに採用されなかったテイク)を含むともっと沢山のテイク(42テイク)になります。
コンプリート盤では、同じ曲がアウトテイクも含めて数度続く、という構成になってます。

退屈なんすよ、コンプリート。

***

クロスロード伝説を一つ。

やはり実家の近所の後輩にヒライ(仮名)という男がいました。
こいつは高校の頃ハードコアパンクのバンドでタイコを叩いてた奴で、よく対バンをやってた関係で知り合いでした。
ハタチを過ぎたくらいになると、こいつもいつのまにかブルーズを聞いて下手糞なハープを吹くようになっていました。
下手すぎてバンドは組んでいませんでしたが。

そして、ハマルと突き進むタイプのようで、ガンガンとブルーズを聞き倒し、イッチョマエの能書きを垂れるようになり、知識合戦になると上からモノを言うようになっていました。
ハードコアだったくせに!
バイトしてやっと古着で買った皮ジャンにファック・オフと書いてたが、スペルミスで「Fack Off」って書いてたくせに!

ある日こいつの家に酒をタカリに行って飲んでました。
またタカリです。
しかも毎回後輩です。

カオスUKあたりのハードコアパンクからロンドンパンクになり、どんどん溯ってマディウォーターズまで聞き倒し、さらにロバートジョンソンまで来た時に、すでにベロンベロンになったヒライは

「Open6Eさん、俺は魂売りますよ。
十字路でブルーズを手に入れてきますよ。」

「具体的には何か?? 」

「XX四つ角のローソンでビスケットを万引きしてきます」

「かー、シブイね、男やね。
待っとくけん、行ってこい。
エロ本はどこに隠しとうとや?」

「行ってきます。」

ヒライは魂を売りに行き、30分ほどして戻ってきました。

「Open6Eさん、行ってきました。
楽勝です。」

「おい、こら、これはチョイスやんか!!
チョイスはビスケットやなくてクッキーたい。
もう一回行ってムーンライトと替えてこい!!」

「ムーンライトだってクッキーやないですか!!」

「やかましか、キサン!!
チョイスは歯に詰まるっタイ!!」

そうしてヒライは敬愛するサニーボーイウィリアムソンにあやかり、それ以来キングビスケットヒライと呼ばれるようになりました。
もう20年近く会っていませんが、はたしてブルーズは手に入れたのでしょうか??

***

そして社会人になり、数年が経ち、平日からやたらと飲みに行く毎日になりました。
当時、遊びで音楽を一緒にやっているような同期なんかと近所のバーを手当たり次第にチェックをしていました。

ある日行ったのが以前から気になっていた店。
スポーツバーと名乗る店なのでマッチョな店だ、とか色々想像があったのですが、とりあえず行ってみました。
結構広いちょっとシャレた感じのバーでした。

はじめてその店に行ったとき、その店の従業員で非常にキュートな女性がいました。
俺らは勝手にその女性をエンジェルと名づけました。
それ以降、エンジェル見たさに(見るだけなのが実に情けない)よくそこに行くようになり、ジットリと湿っぽい視線を送っていました。

ある夏の日、深夜2時に店に着いたのですが結構客は多かったです。
カウンターは2、3席しか空いておらず、テーブル席もほとんど埋まっていたので、俺と友人の計3人は最もカウンターに近いテーブルに座りました。

スタッフはいつものように...いつもと違います。
マスターと、エンジェルと、さらにもう一人女の子がいました。
オイオイ、マスター、悪知恵だけは働くようやね。

注文はマスターが取りに来ました。
エンジェルは俺達に見向きもしません。
そうか、照れているのか。
でもそんなところが俺のハートをノックします。

そして2時15分くらいになるとエンジェルはスタッフルームに消えました。
そして私服に着替え、出てきました。
黒のロングスリーブのサマーセーターにいつものジーンズ。
そんな飾らないところが俺のハートをノックします。

「オウ、シュガースウィートハニー。
そんなさりげないファッションでも俺には背中の羽が見えるのさ。」

と、妄想癖のある俺はブツブツと独り言を言います。
エンジェルは一旦カウンターに入り、しばらくして出てきました。

「今日はもう終わりかい??
それなら俺に朝までの残りの時間を預けてみないかい??
きっと(俺は)満足するぜ!!!」

と、やはりブツブツと言う俺。

エンジェルがこっちに歩いてきます。
まさにスーパーモデル養成学校主席卒業の名にふさわしい、華麗な、それでいて清楚で控えめな足取りです。
そんな身のこなしが俺のハートをノックします。

「ハニーベイブ、まず一杯ってわけかい。
OK、ハリー(マスターの名はすでに俺の中ではハリーである)、彼女にニューヨークを。
もちろんベースはワイルド・ターキィ・ライだ。
ジーンズを鮮やかに着こなす君には、ウィスキーベースのショートカクテルがお似合いさ。」

と、当然妄想が進みます。

次の瞬間エンジェルはカウンターの1席に座り、隣の男としゃべり出しました。
あれれぇ、何か違うぞ。

幸福というものは目に見えるものである。
はっきりと目の前に現れ、ゆっくり手のひらに落ちてくる。

不幸というものは目に見えないものである。
心の中にそっと棲み付き、ある日突然現れる。
(Open6E 愛のポエム第6章12節)

その後エンジェルは隣の男と、その男の物と思われるジープに乗ってどこかへ去っていきました。
俺はガラスに張り付き(妄想)、それを見送ります。

俺はギターを手にし、近くにあったボトルを叩き割り、ボトルネックを指に付け、スローなブルーズを歌い出します(当然妄想)。

駅まで彼女を見送りに行くのさ。
彼女のスーツケースを持ってね。
行くな、なんて言えないさ。
俺の愛はむなしいもの。
(ロバートジョンソン "Love in vain")

エンジェル改め「とんでもない食わせ物」、「堕天使」、「ズベ公」(以上感情的な一方的中傷)が去って呆然とする3人。

「でもさぁ、ジープって一番オフロードに向かん車やろ??」

などと、卑屈な負け惜しみを小声で話し合う俺達でした。

「OK、エンジェル、楽しかったぜ。
ただ、俺という鳥かごは君には狭すぎたのさ。」

と最後の妄想に浸ります。

そして2時30分。
まだマスターと共にカウンターに残っていた女の子が注文を取りに来ました。

「ラストオーダーですが、何かありますか??」

3年に一度くらい、こんな感じで電気に撃たれるように恋に落ちることがあります。
もっとも、この店では2ヶ月で2回目ですが。
まさに運命的な出会いというやつです。
何て美しい女性だ。

「シュガー、俺にはタンカレイのロックを。
そして君にはジン・バックを。
もちろんベースはボンベイサファイヤだ。
真夏のひまわりのような君には、ジンベースのロングカクテルがお似合いさ。」

そんな笑顔が俺のハートをノックします。
俺はオモムロにギターを手に取り、ロバートジョンソンの「カモンインマイキッチン」を・・・・(妄想)

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2010/06/23

Boys, Be Sid Vicious

15歳くらいのころ、パンクは突然やってきました。

深夜のビデオ番組で「No Future」と絶叫しつつ完全に醒めた目をしたジョニーロットンを見てから、それまでの「漠然とした洋楽好き」から俺の中での音楽に対する価値観がガラリと変わりました。
その「価値観」は今でもずっと続いていて、ストーンズだったりブルーズだったりと変わりません。

パンクは、言いたいことと聞かせる音楽が完全に一致している数少ない音楽なのです。
ブルーズもおんなじです。
もちろん、ブルーズが根っこにあり、パンクのルーツとなったストーンズとかドクターフィールグッドも同様です。
シンプルで派手でバカでちょっとセツナくて、という基本要素が重要なのです、俺にとっては。

随分昔、NHKかなんかの番組で、「パンクとメタルはどう違う?」みたいなのがありました。
その中で、街中のメタルとかパンクにインタビューをするんですが、メタル野郎に聞くと「メタルってのはクラシックの様式美を音楽的なベースにテクニックに裏付けされた・・・・」みたいに長々と解説をしていました。
ところが、パンクス、こいつがまたアブナそうなヤツだったんですが、このパンクスにインタビューをすると、パンクスはしばらく考えた後、「パンクは・・・・クる」と一言で片付けていました。
それを見ていた俺は、そうそうそれそれ、と激しく同意した覚えがあります。

「ヤツはウタもギターも大したことなかったけど、ヤツのブルーズは最高だった」と言われたいんです。
もちろんハウンドドッグテイラーのパクリです。

***

と、まあ、熱く語るのはこれくらいにして、あとはバカ話をしましょう。

今の世の中のパンクに対する受け入れられ方から考えると、とても考えられないような状況なんです、当時は。
細かい話はこのエントリで殴り書きしていますので割礼(定番)します。

が、少なくとも健康優良な悪ガキにとっては、パンクを聞いてパンクを演ってパンクのギグに行くってのは結構な覚悟が必要だったのです。
そして、パンクな格好をするってのも、周囲に対する重要な意思表示なのです。

でもパンクファッションって、その手の店で買うと高いんですよ。
ガーゼシャツが数千円、Tシャツだって3000円くらい、ボンデージパンツとかボンデージジャケットなんて2万円近くしたような記憶が。
それにドクターマーチンのブーツだって3万円くらいしたと思うし。
ケツにつけるチェックのヨダレカケみたいなのでも3000円くらいしたよなあ。
皮のライダーズジャケットなんて持ってるヤツいませんでしたよ。

別にビンボーではなかったですが、それらパンクファッションのアイテムはガキが買うにはあまりにも高価でした。
そこでどうするか、自作です、DIYです。

***

Tシャツは、安い無地のTシャツを買ってきて、1枚1000円くらいで好きなものをプリントしてくれる店に持ち込みます。
LPのジャケットとかソレ風の絵とかを使います。
あるいはスプレーとかで絵とか文字書いたりです。
これをハサミでジョキジョキ切込みを入れて一丁上がりです。

ジーンズはできるだけ細いブラックスリムもしくは破れたブルージーンズです。
ブルージーンズの場合、適当にハサミで切れ目を入れ、なるべく雑に漂白剤をふりかけ、洗濯機で一回洗うとパンクズボンが出来上がりです。

ブーツは作業服屋で安全靴を買ってきます。
5000円もしないはずです。
カッターで靴の先を切り、ヤスリをかけて安全靴の鉄をむき出しにし、錆止めのラッカーを塗ります。
さらに靴ヒモを赤とか青とかに変えて、完成です。

あと、通学用の白のカッターシャツなんかもイイ感じになります。
マヨネーズの容器(みたいなヤツ)に赤とかのペンキ(というか塗料)を入れて、1mくらい離れて肩口あたりにブビブビっとやると返り血を浴びた風なジョーストラマー風シャツになります。
これに適当に用意した腕章とかを付けます。

ガーゼシャツは難しい。
友人はガーゼを買ってきて、自宅のミシンでガーゼシャツを縫おうとしましたが、ガーゼからほつれた糸がミシンに巻き込みミシンが壊れるという大惨事になったりしました。

皮ジャンは難しかったっすねえ。
安い、と言っても数千円はするライダーズと同じ形のビニジャンに鋲を打ってペイントしてるヤツが結構いました。

あとは全体的に安全ピンをつけて完成です。
注意したいのは、安全ピンはすべて銀色のものにしましょう。
頭の部分がパステルカラーのプラスチックみたいなヤツだと、まるで布団にかぶせたシーツがズレないようにしてあるみたいなので。

中には金持ちのガキで上から下まで店で買ってきたものを着ているヤツもいましたが、大抵のガキは俺だけでなく、皆マジでこんなことやってたんですよ。
これって一歩間違うと、このリンク

はじめてのセックスピストルズ - STEP 6 「衣装をそろえよう」

のように笑えるものになっていたのかもしれないと思うと苦笑いと共に寒気がします。

***

で、髪型。
今でこそ、パンクだからといって必ずしも髪を立てるわけではありませんが、当時は髪を立ててナンボでした。
これには随分工夫を凝らしたものです。

髪を立てるには、そこそこ短い方がいいです。
俺の場合は髪の毛にコシが無いくせに自重があるという博多のうどんみたいな毛質なもんですから、ちょっと伸びるとすぐに立たなくなります。
そこで、散髪屋に行って注文するときは「スポーツ刈の長めで」と言っていました。
でもこれだけだと普段はペタンとしたただのスポーツ刈になってしまうので、整髪料が必須でした。

まず最初はスーパーハードのジェルで試みます。
髪の毛にジェルをまんべんなく塗って頭をさかさまにして手グシでツンツンとやりつつ、ドライヤーで乾かすのです。
これはまあまあキマっていましたが、ちょっと髪が伸びるとジェルの自重でヘナヘナになってしまうのです。

しかもジェルを結構沢山使うもんですから、あっという間になくなってしまい、結構財布に優しくないのです。
そこでハードコアパンクスに教えてもらったのが、洗濯糊を使うという荒業です。
この洗濯糊、以下の写真のような糊丸出しのヤツです。

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多分750mlくらい入って150円くらいだったと思います。
安いしジェルより固まるしで文句は無いのですが、まずなんとなく米臭い。
そして使用後12時間くらい経つと髪の毛の表面が猛烈なフケみたいに粉を吹いてくるのです。
あと、人前でこれをオモムロに取り出して使うのは相当恥ずかしいってのも問題でした。

いずれにしても、俺の髪質の問題点は自重があってコシが無いということなのです。
これを解決する方法がスプレーを使うというものです。
まずは「ケープ」とかを使うのですが、スーパーハードを使っても固さはイマイチで、さらに量が少ない上にそこそこの値段がするというコストパフォーマンスの悪いものでした。

そうやって色々なスプレーを試行錯誤するうちにウワサを聞きつけて使うようになったのが、通称「ダイエースプレー」と言われるスプレーです。
正式名称はエレーヌヘアスプレーというものでしたがダイエーでしか売っていませんでした。
この緑色の缶、スーパーハードが当時のパンクスのデファクトスタンダードでした。

これ、大きい缶に入っているのに400円くらいという安価で、以下のリンクにあるように「プラモデルも作れる」くらいにカチカチになるのです。

髪カッチカチ! 「ダイエースプレー」最強伝説(Excite Bit コネタ) - エキサイトニュース

今でも売っているようで、バンドマンなどからは相変わらず絶大な支持を得ているようです。
当時のライブハウスの匂いの記憶って、このダイエースプレーの独特の匂いの記憶なんですよ。

***

こないだ結構混んでいる電車に乗っているときに突然懐かしい匂いがして、何だったっけ、と思っていると目の前のワカモノの髪の毛がツンツンと立っていました。
それで急にダイエースプレーの匂いがフラッシュバックしたのです。

で、こんな駄文をダラダラ書いてみました。

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2010/06/16

ロバートジョンソンにまつわるアレコレ

先日、図書館に行きました。
小説やらアウトドア/釣り本コーナーやらをラン&ガンしていてたどり着いたのが音楽書籍のコーナーでした。

そこで発見したのがこの本。

ロバート・ジョンソン クロスロード伝説
(トム・グレイヴズ/著 奥田祐士/訳 白夜書房 ISBN:9784861914812)

こんなのもあるんですねえ。
早速借り、先週読み終わりました。

この本はロバートジョンソンの「悪魔と取引」をまさに伝説的に語るというものではなく、わりと冷静な研究本という印象の本です。
冷静には書いてありますが、このロマンティックな部分を完全に否定してサラサラで多い日も安心でドライに斬っているというわけではありません。
それなりの情緒も残してある書きっぷりなので、十分楽しめました。

事実はどうであれ、ロバートジョンソンは十字路で悪魔と取引をしたんですよ。
そう定義する方がとてつもなく空想が広がるじゃないっすか。

あと、最後に小出斉氏の曲解説がついていて、キーやら奏法やら歌を紹介してくれています。
とは言ってもそれも演奏家向けのガイドではなく、小出氏の思い入れとか感想が詰まった表現ですので、演奏をやらない人にでも楽しめると思います。
むしろですね、無性にロバートジョンソンが聞きたくなるのです、そして、聞きたくなったのです。

***

聞きたくなったらどうするか、聞きますねえ、そのまんま。
今、バンドでも何曲かやってるし、ロバートジョンソンをカバーした曲もよく聞くのですが、オリジナルをじっくり集中して聞くのって15年以上前以来かもしれません。

今回はじっくり聞くっすよ、なんならコピーとかしちゃいますよ(カラ手形)。

ここで知っておいて欲しいのですが、ヘッドフォン(できれば耳を覆うヘッドフォン)でちょっとうるさいくらいのボリュームで聞くというのが俺の中でのロバートジョンソンの一番クる聞き方なんです。
こうやって聞くと、地獄の猟犬に追いかけられながら悪魔と並んでリバーサイドを旅して十字路で跪いて心優しい女が激辛だという「よくある」光景が目に浮かんでくるのです、俺ってウソツキ。

初めてロバートジョンソンを聞いたときは、遠くの方でピアノみたいなギターと甲高いヴォーカルが聞こえてなんじゃこりゃ、と思いました。
が、ある日泥酔しているときにヘッドフォンで大音量で聞いたらギターとウタの生々しさに悶絶し、それ以降真剣に聞くときはコレだ、と思うようになりました。

今回も当然これをやらないといけません。

***

さて音源ですが、ロバートジョンソンは「コンプリートレコーディングス」というアウトテイクも含めたCDが出ているのですが、俺は持っていません。
そして「King of the Delta Blues Singers」「King of the Delta Blues Singers vol.2」というアナログLPでしか持っていないのです。
つまり、自宅のオーディオでしか聞けないのです。

自宅のレコードプレイヤーにA面(なつかし!)をセットし、ヘッドフォンを装着してスタートします。
ボリュームをグイっと大きくして、まずはCross Road Bluesなわけですが、何せ俺のヘッドフォンのコード長が1.2mしかありません。
コードをピンと張っても1.2m、普通にしたらオーディオから顔が50センチとか30センチという距離になり、まるでオーディオにかじりついているようなテイストになってしまいます。
これ、ラジオに群がる未開の人々みたいです。
あるいは、壁にコップ当てて盗み聞きしているヤカラみたいじゃないっすか。

それじゃあヘッドフォンじゃなくてスピーカーから聞けばいいやん、と言いたいでしょう。
ダメなんです、それじゃあ。
初めて俺の中でロバートジョンソンが受胎した20年近く前の俺に顔向けができないんです。

ウソです、ホントはこないだ収穫が終わったウチの横の畑が田んぼに戻って田植えが完了すると同時にカエル君たちが夜中になるとゲロゲロと騒ぎ立てるのです。
まだエヤコンを入れるほどでないので窓を開けているこの季節、ガマ共の大合唱でテレビの音も聞こえないくらいなのです。
その中で繊細なロバートジョンソンの音が聞けるわけないっすよ。

***

結論として、この2枚のアルバム、トータル32テイク(29曲+3曲のアウトテイク)をデータ化することにしました。
もちろん「デジ造」師匠の出番です。

実際にデジタルデータにしてPCで聞いてみると、なんかスカスカで迫力がありません。
アナログ用とデジタル用のマスタリングの違いってここまで出るもんなんですかねえ。
こういう音源だからなおさらなんでしょうか。

ちょっと音を密集させて全体のボリューム感を上げてみようと音声編集ソフトとかで色々とイジってみました。
ノイズゲートとかをカマすと逆に音がやせるし、元の音源のプチプチ鳴る色っぽさが損なわれるので、あまり音質はイジらずにマキシマイズだけをやってみました。
これをヘッドフォン大音響で聞いてみると、、、なかなかイイ!

デジタルプレイヤー(まあ、携帯電話なんスけどね)に転送してここ数日聞き倒しています。

***

聞き倒していると、色々とアイディア浮かんでくるんです。
この曲次のライブとかにいいんじゃね?とか、この曲のモチーフをパクれそう、とか(卑怯者)。

で、仕事をサボってマクドで聞きながらゆっくりしていると、「俺と悪魔のブルーズ(Me and the Devil Blues)」の歌詞が正確に知りたくなりました。
突然知りたくなったので、突然解決しないとイヤなので、その場でPCを出してググってみるとヒットしたのがこのサイト。

ロバート=ジョンソン『俺と悪魔のブルース』 - この道一筋18年!営業改革コンサルタントの思索Blog

このブログは音楽ブログでは無いようですが、ここで書いてあることで、目からウロコが沸きました。

この方、クラプトンに興味が無いらしいです。
そう、「嫌い」ではなく「興味が無い」んだそうです。
もっと言うと、「クラプトンのヴォーカルはいいけど、ギターに興味が無い」のだそうです。

俺は常々クラプトンが嫌いだヤツはチンカスだ不幸自慢だ、と言っているのですが、それは俺のボキャブラリがプアだったんですね。
この「クラプトンのギターに興味が無い」というのがピッタリです。
アルバムとしての「レイラ」なんて、結構好きなアルバムっすもん。

***

今のテンションで他の内臓ごと吐き出すようなブルーズヴォーカル聞いたら、しばらくブルーズ強化週間になるんですよ。

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2010/04/22

Cadillac Records

こないだ、おなじみ店長QがDVDを貸してくれました。

さっそく見ようかと自宅のDVDプレイヤーにセットしたのですが、予告編が終わった時点で固まってしまいます。
板が悪いのか、あるいは最近調子悪いウチのDVDプレイヤーが悪いのか。

DVDプレイヤーがダメならパソコンではどうだろうかと思い、再生してみました。
ウチのパソコン、DVD-Rドライブ周りが5年くらい調子悪く、イヤな予感がしたのですが、板にアクセスし始めてすぐにブルースクリーンで落ちてしまいました。

そんな感じで借りてから10日間くらい経ってしまったのですが、先日やっと見ることができました。
ちょっと時間があったので帰宅途中でネットカフェに寄り、DVDからisoを吸出し、SUGOIケーブルでネットブックにコピーするという方法です。
帰宅後なんだかんだとやることがあって、パソコンの前に座れたのが24時過ぎです。

***

で、何を見たかというと、「キャデラックレコード」という映画です。

ちょうど最近たまにコメントをくださるTroublogのKen-Gさんもこの映画についてエントリされていましたので、トラックバックしておきます。

Troublog - Cadillac Records / DVD

内容は大まかにチェスレコードの立ち上げから衰退までを、レナード・チェスとマディ・ウォーターズを主人公に描いたものです。
カタリベとしてウィリー・ディクソン、あとはリトル・ウォルターやハウリン・ウルフ、チャック・ベリーやエタ・ジェイムズなどがからんできます。

こういう伝記もの、しかもミュージシャンが主人公のものって、イメージと違ったり演出とかが気に入らなかったりで、あまり好きになれないんです。
シド&ナンシー、ドアーズ、ベルーシ~ブルースの消えた夜、などなど。

これは、かなり楽しめました。
最初は全然似てねえと思っていた登場人物も、いつのまにか本人に見えてくるから不思議です。

キャラとしてはリトル・ウォルターが素晴らしかったっすね。
初めてアンプリファイドハープ(アンプにマイクを突っ込んでハープの音を増幅するセッティング)を演るあたり、なかなかニヤリとさせられます。
ウルフもイメージするキャラに近かったですし。

ブルーズが好きな人は楽しめると思います。

ブルーズに興味がない人はどうだろう。
多分楽しめると思いますし、これでブルーズを好きになってください。

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2010/03/23

デジタルライフブルーズ アップデイツIV

大変なことが起こりました。

前回のアップデイツIIIで、携帯への音楽転送をau Music PortからLismo Portに変えたらサクサクうごいてワッショイワッショイ、と喜んでいました。

で、先日、アルバムを何枚か転送しておきました。

さっきたまたま聞こうかとしたら、なんとなんと、曲順がトラックナンバー順ではなく、アルファベット順になっているではないですか!

Webで見てみたら、Limo Portはトラックナンバーを携帯に転送しないのでアルバムという考え方は通用しません残念でしたさようなら、とのことでした。

まあ、いい。
それも、100歩譲りましょう。
今まで曲順が入っていて聞けていた曲は大丈夫でしょうから。

と思って、元々入っていた曲を見てみると・・・・ハイ残念、これらも見事に曲順が狂っていました。
たまたま最近、ライブ用の曲をプレイリストってヤツに入れて聞いていたので気付かなかったのです。

かなり脱力です。
今までできていた機能ができなくなるってのは、デグレードですよね。
それわかってんのかな、auは。

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2010/03/10

デジタルライフブルーズ アップデイツIII

懲りずにしつこくデジタルライフブルーズです。
今回はアップデイツIII、インフラ編プラスαです。

***

以前にエントリしましたように、今使っているネットブック、ドコモのデータカードと抱き合わせでした。
イーモバイルではなく、ドコモのカードにした理由もエントリしています。

このドコモのカード、人口カバー率100%を誇るだけあって、伊豆の滞在先でも普通に使えます。
俺が使っていた歴代のデータカード、ドコモのp-inやH"、イーモバイルがすべて使えなかったことを考えると、かなりすばらしいことです。
先日の早春合宿でも、伊豆の滞在先からデータカード経由でエントリをしました。

ただし、やはりこのモバイルカード、料金は高くつきます。
これはイーモバイルでもそんなに違いは無いと思います。
ドコモの場合、プロバイダ料金とは別に、最低1000円でそれからパケットごとに従量制になり上限が6000円くらいという価格設定です。
で、決してバリバリとヘビーユースをしなくても、あっという間に上限に達してしまうのです。
つまり、毎月のモバイルデータ通信量としてはプロバイダ込みで6500円くらいは覚悟しないとならないわけです。

***

ところがある日、たまたま見ていたネットニュースか何かで、Yahooプレミアム会員は、月210円でBBモバイルポイントの無線LANサービスが使い放題というのを発見しました。
(Yahooプレミアムってのは、ヤフオクで売ったり買ったりしている人ならば会員です。)

BBモバイルポイントという無線LANサービス、一番の特徴はほとんどのマクドナルド店舗で使うことができるということです。
しかもマクドはかなりの店舗でコンセントが用意されていて、かつ大してうまくないコーヒー(大賛辞です。昔のマクドはすげえまずいコーヒーでした)が安い価格で飲めるのです。

これだと月210円、なんならYahooプレミアム会員の月350円くらいを加えて500円台、さらにほとんど使わなくなる月1500円のドコモデータカード最低料金+プロバイダも加えて2000円ちょい、すなわちデータカードの最大金額6500円の1/3以下で外出先でのモバイル環境が整うわけです。
しかもスピードは実測値でデータカードの5倍くらいは出ます。

そんな状況ですので、ここ最近、特に通勤途中にマクドに行くことが多くなりました。
ブログのエントリが少し増えてきているのもそういう理由です。

***

自宅のネット環境はどうかというと、今まではCATVのインターネットサービスを使っていました。
これ、理論値で30Mbpsくらい、実測値で10から15Mbpsくらいのスピードが出ていました。

スピード自体には特に不満はありませんでしたが、今回、KDDIのauひかりというFTTHサービスにしました。
これで理論値では1000Mbpsとなりました。

なぜこんなサービスにしたのかというと、昨年末、プリンタが壊れたので、家電量販店に代替機を見に行ったときのことです。
俺は今までブラザーの家庭用複合機を使っていまして、この複合機、プリンタやスキャナだけでなく、コピー、電話+子機、Fucksの機能も持っているのです。
これ、すげえ便利なので、次もブラザーのつもりで新機種を見ていました。

すると、抜け目無さそうなブラザーが寄ってきて、「auひかりにしませんか?auひかりにするならプリンタ代30000円引きますよ」と囁くわけです。
この人物、量販店店員のブラザーでもブラザーから派遣されたブラザーでもなく、auから派遣されている販売員のブラザーなわけです。

「30000円引いてくれたとしても、月々の料金はお高いんでしょ?」とテレビ通販番組のタレントのような切り替えしをすると、その場でランニングコストを見積もってくれました。
すると、なんと、今のCATVのインターネットサービス+自宅固定電話の料金と比較するとauひかりのネット&電話にすれば月に数千円安くなることが判明したのです。

しかも、俺は去年の8月に携帯をauにしたので、固定電話からau携帯への電話料金は全部タダになったりとか色々と特典も盛りだくさんです。
もちろんauひかりにすると、自分に自信が持て、仕事では大成功、恋愛ではモテモテに間違いなくなる、と抜け目無いauのブラザーは言いました、ああ言いましたとも(言ってません)。

ちなみに、プリンタ代を30000円引くってのは、このauひかりのキャンペーンの一環のようです。
こないだはドコモのデータカードのキャンペーンでネットブックを1円で買い、今度はKDDIのキャンペーンでプリンタをタダで入手です。
金のためなら誰とでも寝るオトコと蔑んでください。

***

このauひかり、申し込み時点では1月半ばに工事して使えるようになるとのことだったのですが、過剰なキャンペーンによる機器の不足により(と俺は予想している)、結局先週日曜にやっとのことで工事が完了しました。

実際に配線し、PCで早速測定です。
下り70Mbps、上り80Mbpsくらい出ました。
おお、速いやん・・・・ちがーう!

理論値は1000Mbps(ギガビット)なわけです、その1/10も出とらんのです。

そう、自宅に入ってきている光はギガビットなわけです。
その光がささっているONU(終端装置)もギガビット対応。
ONUから伸びているLANケーブルとそれがささっているホームゲートウェイもギガビット対応。
ホームゲートウェイからPCに伸びるLANケーブルもギガビット対応。
が、最後の最後、PCのLANカードが100Mbpsにしか対応してないわけです。

いいじゃない、今までより安い料金で5倍から7倍以上のスピードが出てるんだから。
貴方はそうおっしゃるかもしれない。
でも違うんです。
悔しいものは悔しい。

今、時速1000kmまで出して良い道を走っていて、周りは時速500kmくらいでビュンビュン走ってるのに、俺だけ車の性能の限界で70km/hしか出てないんですよ。
目的地までかかる時間は多分ほとんど変わらないんですが、やっぱり悔しいやん。

じゃあLANカード変えればいいじゃねえか、となるわけですが、自宅のデスクトップPCは省スペース型なのでLANカードもオンボードなので交換できないのです。
というわけで、夢の500km走行はPCを買い換えるまでのオアヅケとなりました。

***

そして自宅でネットブックを使うケースですが、今まではLANケーブルを垂らしておいて、必要に応じてネットブックに接続していました。
でもこれって、ルーターから半径2mくらいの場所でしか使えないということなんです。
それならデスクトップで十分なで、今まで自宅ではあまりネットブックを開くことはありませんでした。

で、せっかくなんで近々無線LAN化をしようと思っていました。
と思っていたら、今回のauひかりのホームゲートウェイというもの、頼んでも無いのに(コラ)無線LANが付いているのです。

早速試してみると、対応している規格がIEEE802.11gなので理論値54Mbpsですが、実測で20Mbpsくらいです。
これで十分です、マクドより速いし。
上記の有線のときはあんなに悔しがったのに。

疑い深い俺は、2階にPCを持って行き、さらに途中の部屋のドアも全部閉めて試してみましたが、電波が弱くなることもスピードが落ちることもなく、快適に使うことができました。

このため、先週末以来、自宅のデスクトップをほとんど起動しなくなっています。
本末転倒です。

***

さて、最後にプラスαです。

時々書いていますように、俺は通勤中などは携帯で音楽を聴いています。
そして、携帯に音楽を入れるには、au Music Port(aMP)というとてつもなく遅くて使い勝手の悪いソフトを使わないとならず、以前に呪いの言葉を吐いたことは記憶に新しいです。

で、こないだauのページを見てみると、Lismo Portというのに変わっていました。
これはaMPのバージョンアップというわけではないですが、今後はこっちに移行して、しかも現在のaMPのアッパーコンパチであるとのことです。

早速使ってみると、少なくとも起動とか動作とかは以前と比べ物にならないくらいサクサクになっていました。
まだ曲の取り込みとか転送はやっていないのですが、少しはストレスがなくなりそうです。

***

とまあ、こんな感じのデジタルライフブルーズでした。

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