カテゴリー「書籍・雑誌」の5件の投稿

2010/06/16

ロバートジョンソンにまつわるアレコレ

先日、図書館に行きました。
小説やらアウトドア/釣り本コーナーやらをラン&ガンしていてたどり着いたのが音楽書籍のコーナーでした。

そこで発見したのがこの本。

ロバート・ジョンソン クロスロード伝説
(トム・グレイヴズ/著 奥田祐士/訳 白夜書房 ISBN:9784861914812)

こんなのもあるんですねえ。
早速借り、先週読み終わりました。

この本はロバートジョンソンの「悪魔と取引」をまさに伝説的に語るというものではなく、わりと冷静な研究本という印象の本です。
冷静には書いてありますが、このロマンティックな部分を完全に否定してサラサラで多い日も安心でドライに斬っているというわけではありません。
それなりの情緒も残してある書きっぷりなので、十分楽しめました。

事実はどうであれ、ロバートジョンソンは十字路で悪魔と取引をしたんですよ。
そう定義する方がとてつもなく空想が広がるじゃないっすか。

あと、最後に小出斉氏の曲解説がついていて、キーやら奏法やら歌を紹介してくれています。
とは言ってもそれも演奏家向けのガイドではなく、小出氏の思い入れとか感想が詰まった表現ですので、演奏をやらない人にでも楽しめると思います。
むしろですね、無性にロバートジョンソンが聞きたくなるのです、そして、聞きたくなったのです。

***

聞きたくなったらどうするか、聞きますねえ、そのまんま。
今、バンドでも何曲かやってるし、ロバートジョンソンをカバーした曲もよく聞くのですが、オリジナルをじっくり集中して聞くのって15年以上前以来かもしれません。

今回はじっくり聞くっすよ、なんならコピーとかしちゃいますよ(カラ手形)。

ここで知っておいて欲しいのですが、ヘッドフォン(できれば耳を覆うヘッドフォン)でちょっとうるさいくらいのボリュームで聞くというのが俺の中でのロバートジョンソンの一番クる聞き方なんです。
こうやって聞くと、地獄の猟犬に追いかけられながら悪魔と並んでリバーサイドを旅して十字路で跪いて心優しい女が激辛だという「よくある」光景が目に浮かんでくるのです、俺ってウソツキ。

初めてロバートジョンソンを聞いたときは、遠くの方でピアノみたいなギターと甲高いヴォーカルが聞こえてなんじゃこりゃ、と思いました。
が、ある日泥酔しているときにヘッドフォンで大音量で聞いたらギターとウタの生々しさに悶絶し、それ以降真剣に聞くときはコレだ、と思うようになりました。

今回も当然これをやらないといけません。

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さて音源ですが、ロバートジョンソンは「コンプリートレコーディングス」というアウトテイクも含めたCDが出ているのですが、俺は持っていません。
そして「King of the Delta Blues Singers」「King of the Delta Blues Singers vol.2」というアナログLPでしか持っていないのです。
つまり、自宅のオーディオでしか聞けないのです。

自宅のレコードプレイヤーにA面(なつかし!)をセットし、ヘッドフォンを装着してスタートします。
ボリュームをグイっと大きくして、まずはCross Road Bluesなわけですが、何せ俺のヘッドフォンのコード長が1.2mしかありません。
コードをピンと張っても1.2m、普通にしたらオーディオから顔が50センチとか30センチという距離になり、まるでオーディオにかじりついているようなテイストになってしまいます。
これ、ラジオに群がる未開の人々みたいです。
あるいは、壁にコップ当てて盗み聞きしているヤカラみたいじゃないっすか。

それじゃあヘッドフォンじゃなくてスピーカーから聞けばいいやん、と言いたいでしょう。
ダメなんです、それじゃあ。
初めて俺の中でロバートジョンソンが受胎した20年近く前の俺に顔向けができないんです。

ウソです、ホントはこないだ収穫が終わったウチの横の畑が田んぼに戻って田植えが完了すると同時にカエル君たちが夜中になるとゲロゲロと騒ぎ立てるのです。
まだエヤコンを入れるほどでないので窓を開けているこの季節、ガマ共の大合唱でテレビの音も聞こえないくらいなのです。
その中で繊細なロバートジョンソンの音が聞けるわけないっすよ。

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結論として、この2枚のアルバム、トータル32テイク(29曲+3曲のアウトテイク)をデータ化することにしました。
もちろん「デジ造」師匠の出番です。

実際にデジタルデータにしてPCで聞いてみると、なんかスカスカで迫力がありません。
アナログ用とデジタル用のマスタリングの違いってここまで出るもんなんですかねえ。
こういう音源だからなおさらなんでしょうか。

ちょっと音を密集させて全体のボリューム感を上げてみようと音声編集ソフトとかで色々とイジってみました。
ノイズゲートとかをカマすと逆に音がやせるし、元の音源のプチプチ鳴る色っぽさが損なわれるので、あまり音質はイジらずにマキシマイズだけをやってみました。
これをヘッドフォン大音響で聞いてみると、、、なかなかイイ!

デジタルプレイヤー(まあ、携帯電話なんスけどね)に転送してここ数日聞き倒しています。

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聞き倒していると、色々とアイディア浮かんでくるんです。
この曲次のライブとかにいいんじゃね?とか、この曲のモチーフをパクれそう、とか(卑怯者)。

で、仕事をサボってマクドで聞きながらゆっくりしていると、「俺と悪魔のブルーズ(Me and the Devil Blues)」の歌詞が正確に知りたくなりました。
突然知りたくなったので、突然解決しないとイヤなので、その場でPCを出してググってみるとヒットしたのがこのサイト。

ロバート=ジョンソン『俺と悪魔のブルース』 - この道一筋18年!営業改革コンサルタントの思索Blog

このブログは音楽ブログでは無いようですが、ここで書いてあることで、目からウロコが沸きました。

この方、クラプトンに興味が無いらしいです。
そう、「嫌い」ではなく「興味が無い」んだそうです。
もっと言うと、「クラプトンのヴォーカルはいいけど、ギターに興味が無い」のだそうです。

俺は常々クラプトンが嫌いだヤツはチンカスだ不幸自慢だ、と言っているのですが、それは俺のボキャブラリがプアだったんですね。
この「クラプトンのギターに興味が無い」というのがピッタリです。
アルバムとしての「レイラ」なんて、結構好きなアルバムっすもん。

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今のテンションで他の内臓ごと吐き出すようなブルーズヴォーカル聞いたら、しばらくブルーズ強化週間になるんですよ。

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2010/05/14

春の読書感想文

ちょうど1ヶ月くらい前に図書館に行きました。

なんとなく書棚を見ていて発見したのが、村上龍の「半島を出よ」です。
この本が出たころに少し話題になったので、いつか読もうと思っていたので早速借りました。

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確か高校のころ、当時はトンガったサブカルチャー雑誌(と言い切るのは乱暴ですが)だった「宝島」で、村上龍の著作である「69」が紹介されていました。
同時に紹介されていたのがやはり景山民夫の著作「転がる石のように」でした。

この両書に共通するのはどちらも作者の自伝的小説だということと、どちらも1969年の話だということです。
1969年ってのはアポロが月に着陸したり東大安田講堂事件が起こったりウッドストックがあったりオルタモントの悲劇があったりイージーライダーが公開されたりと沢山のことが起こった年なわけです。

そして、1969年は俺が生まれた年なもんですから、他の年以上に個人的に特別感があり、この2冊は高校を卒業する頃にハードカバーで購入して読みました。
どちらも非常に楽しめた話だったので、それ以来この両人の著作を色々と読むようになりました。

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この「半島を出よ」という話は、北朝鮮の武装コマンドが福岡を武装占拠するという話です。
章ごとに登場人物の中の一人の視点で(ただし三人称で)書かれています。

「愛と幻想のファシズム」が結論というか行く末がわからずに終わる(ただし内容としておもしろかったです)のに反して、これはちゃんと完結します。

原稿用紙が1600枚という分厚い上下巻ですが、相当な調査をしたのであろうことが綿密なデータや表現でわかります。
また、必ずしも日本人だけでなく、北朝鮮コマンドの視点で書かれた章もあり、脱北者にインタビューはしたらしいですが、日本にいる限りはほとんど実態がわからない北朝鮮の人々の心情などもとてもうまく書かれてあります。

要はですね、俺としては最近読んだ本の中では相当おもしろかったんですよ。
でも、おもしろかった理由は上記の詳細で濃厚で綿密な内容とか北朝鮮の人々の心情の表現のうまさじゃないのです。

話を完結に向かういわゆるクライマックスの部分なんですが、「おいおい、そういう展開かよ」と苦笑しつつも引き込まれました。
まるで良くできたアクション映画にのめり込んでいるように、ものすごいスピード感とハラハラドキドキ感(死語)で汗びっしょりになりました、文章なのに。

膨大な情報をインプットされた後のこの展開だからなのか、完全に掴まれました。

文章ってのは困ったもので、自分がこういうハマった状態になるときちんと字面を追えなくなるんですよ。
先に読み進みたいキモチときちんと読まないと気がすまないキモチが交錯してしまうのです。

内容に関してはここでは書きませんし、Wikiあたりで見ればきっとストーリーも全部わかるんだと思います。
が、できれば読んでもらいたいです。

俺の好きな映画や俺の好きな音楽、俺の好きなすべての表現は「シンプルで派手でバカでセツナい」ものだと言っています。
この話は「バカ」ではないですが、でもこの感覚は共有してもらえるんではないかと思います。

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2009/10/16

景気付け

ここ最近、ジワジワと忙しくなってきています。
が、バリバリと忙しいんじゃなくて、中途半端に忙しいんですよ。

退社時間は相変わらずそこそこ早いんですが、プールに行くにはちょっと遅い。
そんなわけで、ここ2週間くらいあまり泳いでおらず、平日単独水泳倶楽部は開店休業状態です。

***

まあ、中途半端に早く帰宅するんで、やたらと本読んでいます。
それも新しく買った本じゃなくて、元々持っていた自宅にあるものなんですが。

現在のところは司馬遼太郎大先生の幕末モノを片っ端からです。
幕末モノがそろそろ終わるんで、次は戦国モノでしょう。

その後は池波正太郎大先生の剣客商売あたりになるんすかねえ。

***

そして映画も見ています。
最近俺的に大当たりだったのが、「ユージュアルサスペクツ」。

今ごろかよ、と言われそうですが、今ごろなんですよ。
俺の好きな映画の要素がたっぷり詰まっていました。

で、2回くらい続けて見てもまだちょっとモヤモヤが残ったんでWebを見てみたらこんなサイトがありました。
まだこの映画見てなくて見る可能性がある人はここ見ちゃダメっすよ、

そして、フッ、消えた.... 『ユージュアル・サスペクツ』 - カイザー・ソゼの謎 -

カイザーソゼ、すてき。

***

結局っすね、退屈じゃあないけど、なんかプライベートが停滞してるんですよ。
どれもこれも熱くない。

こういうときには風穴を開けるための景気付けが必要っすね。
やっぱりお祭りでしょう。

というわけで、11月に入ったくらいにライブでもやろうかな、と店長Qとは話しています。

***

10月も半ばにさしかかりました。
今年も歳を取りました。
20歳と240ヶ月になってしまいました。

俺、20代より30代の方が断然面白かったんで、きっと40代はもっとおもしろくなるはずです。

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2009/04/09

再読

先週の伊豆合宿の余韻なのか、やたらと渓流モード(本流も)に入っています。
Webでも渓流がらみのサイトやブログを検索したりと、やけに情報に飢えているんです。

以前に書きましたが、俺は釣りメディアを購入するのをすべてやめました。
ですが、以前買っていた雑誌のバックナンバーは大体1年分くらいずつは残してあります。

渓流トラウトに関しては、Gijieを買っていました。
で、ここ数日、バックナンバーを読み返しています。

これらは渓流を始めたころに購入したものです。
当時は何気なく読み飛ばしていた記事なんかが、今読み返すとものすごくストンと落ちるではないですか。
特に渓流のルアーなんて、釣法や考え方にドラスティックな変化が無いものなんでこれで十分です。

釣庵さんの全読もそうですが、俺自身の成長や退化や経験の積み重ねによって、同じものでもいろんな見え方をするもんだと改めて思いました。

と、徒然なるままに書いてみました。

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2007/07/03

Addiction

もしかしたらどっかで書いたかもしれませんが、俺はかなりの活字中毒です。
電車の中とか、じっとしているときとかに活字を見ていないと不安になるくらいです。

なので、大体カバンの中には文庫本1冊と雑誌が1冊くらいは入っています。
でもそれらが何かのはずみで読み切ってしまったりしたときのために、PDA(いまだに5年くらい前のPalmなんですが)に色んなWebからのクリッピングとかが入れてあります。

だからと言って安心してはいけません。
もしPDAがトラブったり電池が切れたりしたらどうします?
そのために、一応、携帯では文字沢山で読み応えのあるサイトを携帯のRSSサイトに登録してあります。

でももし地下鉄の中で電波が届かなかったら?
最悪です、こうなったら俺、かなり情緒不安定になります。
イライラしながらキョロキョロして、車内広告をくまなく読みます。
1週間無利息とかの広告を真剣に凝視して、せっぱ詰まった人みたいです。
さらに人が読んでる新聞とかを横から覗きたくなります。
キレイなチャンネエが打ってる携帯メールも覗きたくなります(別腹)。

もうこうなると連行されるのは時間の問題です。
そうならないためにも、最初に戻って、本は多めに入れておきましょう。

実際、このブログで読んでいる本のこととか書いたことってないっすよね。
釣り系雑誌とか新聞とかについてはちょっと書いたことありますが。

とにかくこんなんだから、本を買い続けたらものすごい金を使ってしまうことになります。
Amazonなんかもダメ、速攻でマンシュウが数枚消えていくような注文をしてしまいます。

***

そんな生き急ぐ破滅型の俺には図書館がぴったり。
俺が住む川崎市の図書館、コレ最高。

まず、川崎市の図書館全部にまたがる本の検索ができます。
で、気に入った本があったら、それを川崎全域から1つの場所に集めてくれます。
そして、本が揃ったよー、とメールをくれます。
返すときは、どこの図書館で返してもいいわけです。
もちろん無料、俺の血税!

***

先週日曜は、リアルに首が回らなかったので、図書館に行きました。

以前、渓流釣りのポイント本を借りたときに、結構釣り関係の本が多いということに気づき、じっくり吟味です。

というわけで、釣り関係で俺が借りたのはこれ

  1. 「食いだおれ釣り日記」 盛川 宏
  2. 「釣り時どき仕事」 夢枕 獏
  3. 「イワナが笑った」 西山 徹

1は釣り魚の料理が季節ごとに沢山書いてあります。
一つ一つが短いので、ちょっと退屈なときにパラパラ見るのに良さそうです。

2はおなじみ夢枕氏の釣りエッセイ。
まだ読んでいませんが、楽しみです。

3は故西山氏の名著。
今通勤中はこれを読んでいます。
フライについての話なんですが、門外漢でも楽しめますし、文章そのものが軽妙でおもしろいのですが、結構考えさせられることが沢山書いてあります。
キャッチ&リリースの問題なんて、まさに今、良く考えていることなんですよねえ。

さらに釣り以外では

  1. 「百万遍 古都恋情 上下巻」 花村 萬月
  2. 「君たちは世界の新しい王様」 山川 健一

これ、どちらも両作家の自伝的な小説で、かつ1972年なんですよ。
どちらにも「ストーンズ来日」についての話が出てきます。

2の山川氏は最近あまり読まなくなったのですが、Stonesという軸を持った作家さんなんで、結構昔は夢中で読んでいました。
これは借りてきた日にサクサクっと読んでしまいました。

1の花村氏は、このブログのアクセスランキング上位に常駐している映画「皆月」の原作者です。
約400ページある分厚い上下巻なんですが、これは自宅で読んでいます。
現在、上巻の300ページくらい終わりましたが、読み応えあります。

***

そんなこんなで当分は読み物に困らない日々が続きそうです。
ただ、返却期日が7月15日と2週間しかないんですよ。
読めるかな?

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